「『IT人材白書2011』概要 独立行政法人情報処理推進機構 IT人材育成本部」2011.5.4

『IT人材白書2011』概要 独立行政法人情報処理推進機構 IT人材育成本部
ダウンロードはこちら。


ITは切っても切り離せない技術、仕事における基幹となっています。
ただ、こちらは利用する側の仕事内容ですが、開発等に関わる人材は益々高度に、
幅広くスキルなどが求められるのだろうな、と考え読みました。

当大学にもIT関係の資格や、教員の資格が得られる為、選手の中にも目指しているものがいます。
こういった自覚を持って、活躍する人材に成って頂きたいものです。

~引用部~
p5
昨年度調査では、IT人材の量的な不足感が弱まり過剰感が増加する傾向が把握されたが、今年度は、量的不足感が一服する中で質的不足感はIT企業・ユーザ企業ともに強く、85%を超えている。

p13
産学連携教育を推進するにあたっての課題は、支援企業にとって直接的なメリットが見えにくく、継続が困難なことにある。今後は、教育効果などをできるだけ明示していき、産学連携による実践的な教育を継続していくことが重要である。

p23
  • オフショア開発が着実に進み、価格競争力のない業務は海外にシフトしつつある。そのような環境の中、日本のIT人材は、より高い付加価値を生み出す業務に重点シフトする必要がある。

  • IT人材個人も、大手ITベンダー企業を中心に、グローバル化への認識が高まっている。グローバル化に対応するため語学力強化などの一層の自己研鑽が望まれる。

p39
  • 日本のIT企業はイノベーショナルなビジネスを起こす為に、突出した能力や技術をもつ人材を必要としている。しかし実態はどうなのか、イノベーションを起こす原動力となる「突出した人材」を確保できない、適切な処遇が困難、マネージメントする体制が未整備等の課題を抱えている。

  • 調査によると未踏事業で輩出した「突出した人材」は様々な分野で活躍し、彼ら自身は「独創性」、「論理思考力」「課題解決力」が優れていると自己評価している。

  • 彼らはスペシャリスト・エキスパートとして、自らのアイディア・技術をいかして新たなイノベーションを起こそうという意欲は大いにある。その様な意欲を持つ彼らがモティベーションを高め達成感のある仕事ができる活躍の場・環境等を与えるとともに、戦略系人材、ソリューション系人材、投資家等を巻き込んだネットワークを形成することが、日本発イノベーションを創出する原動力になる。

→この「他から突出する人材」ということは、どうしても他と同じ扱いは出来ないでしょう。
 他と同じ扱いにしつつ、突出させるのは相当に難しいこと。
 他と同等の才能なのか、以上の異才なのかを判断する目も大切になりますね。
 そういった意味でもマネジメントも重要な位置、要素を占めますね。
 そのあたりがp41-展開されます。

p44
「独創性」、「論理思考力」、「課題解決力」について、優れていると認識している反面、「カリスマ性」、「リーダシップ」、「マネジメント力」については不足していると認識

→これを見るに、有為な人材は専門的で、技術者として優れていることとマネジメント側に回る事は
 必ずしも一致しないようです。


p46-52 女性IT技術者の活躍推進における課題

→女性による管理職が少ないことが課題だとあります。
 ここには出てこないのですが、IT企業といえど、従来の「働き方」「管理職のイメージ」が
 払拭されないと中々この数字は変わらないのではないでしょうか。
 調査上の意識調査

p50現在管理職に就いていない人に対し管理職になりたいかと尋ねた。実際に管理職に就いている女性は少ないが、女性IT技術者自身の管理職志向は男性IT技術者と比較して遜色ないと言える。

→でもあるように、志向は変わらないのだから「成りたくない」ではなく、「成れない」阻害要因がある。
   と考えられると思います。
  いつでも目の前にいることが重要視されるのか、マネジメントをすることが重要視され、
  目の前にいなくても、成果が出せることを重要視されるかが鍵かと思います。

p53 IT人材個人が将来キャリアに自信を持つためには、人材育成戦略の認識をはじめ、IT人材個人自身が生き残る術として自分を支えるスキル(強み)を見つけることが必要であり、そのスキルや技術の獲得への取り組みを続けることが重要である。

→一度手に入れた知識やスキルもあっという間に陳腐化するのがIT業界ですね。
  サービスだけ考えても、Web→blog→SNS→twitter等どんどん変わり、人が移動していく。
  どんどん学ぶべき事柄が増え、スキルが要求されていく。
  立ち止まれない辛さ、何事も興味を持って取り組み、そこから自分の核となる技術を見つけ出し、
  学び、使いこなし、武器とする。それも賞味期限を考えながら・・・。
  大変なことですが、し甲斐も他よりも高いところがこの業界でしょうか。
  そういったところからp57のような不安にも繋がるのでしょう。

→また、p59のように高い駆動状態でかつ新規のスキルにも明るくないといけないというところで、
 かなり厳しい学習環境が予想されます。

p61 新卒人材動向は非常に厳しい状況にあるが、一方で産学連携による実践的教育の効果も確認されつつあり、今後景気の回復に牽引される形での実践的教育を受けた学生の採用が期待される。

→p61,62 まとめとして。
 最低限ここは読んでみると良いでしょう。
 後はまとめに対する裏づけ、データ等なので。
最終更新:2013年01月26日 08:21