「「持続可能な社会のための科学技術」国立国会図書館」2011.5.1

「国立国会図書館」
にて配布。
2011年4月20日

執筆者は、農林環境調査室  矢口克也 氏。

「keizai.report.com」
内における
以上のサイトにてダウンロードしました。
このサイトは沢山の有用なレポート等にリンクが貼られています。


学術、教育関係に関わる人々に有用かもしれませんが、
次代を担う若者世代、特に学生は一読有ると良いかも知れません。
私にとっても今後の社会の方向性、漠然とした理解の先にある未来への
検討に対する参考、また引用参考文献が提示されているので、
更に理解を深めて行きたいと考えています。


前半部は主に先人の研究要約、政策や、委員会等での提言などを
時系列、体系的に説明がなされている。

後半に至り、本論の言わんとしていることが表明されていく。

特に興味深かった文が以下の通り。

~引用部~
p16
日本は科学技術を経済(富国)の道具と位置付け、国をあげて振興してきた。
これにより人々の生活を豊かにはしたが、他方で「富国」という目標への傾注が多様な研究を
阻害し、人文・社会科学の軽視、また科学技術のリスクへの注意不足を生むことにもなった。
今後は、多様な研究をとおして経済のほかにも環境や福祉など生活の質の向上に貢献すること、
新技術を新たな社会的イノベーションに結びつけることが期待される。

p17研究のコンセプトは、「持続可能な高度成熟・知識社会」にふさわしい持続
可能性・安全性等の「生活の質の向上」となる。
日本はどの研究分野で貢献し、どのような人材を育成するのかが問われる。

p17「表1 科学技術展開の日米独比較と未来モデル」

p18
科学技術による耐えがたい事故が発生した場合、科学技術者側やこれを抱え込む管理者・国家などが
被害者を封じ込める対応では解決できない。
積極的に科学技術に起因する諸問題を開示・対応する時代である。
他方、市民・国民も科学技術の素養(本質的知識・技能・考え方といった「科学技術の智」)を
身につけることが求められる。

p20
科学者・技術者の倫理規範として、
①知的に誠実であり、真実に忠実である、
②限界を語り、結果を想像する、
③事実を公開する、
④自らの仕事に誇り
をもって語る、等が重要であるとする。

p24
ベル教授がいうように日本がアメリカより
「より容易に脱工業社会に適応することを可能とする」理由は、
脱工業社会が次のような性格をもつからである。
ある意味で、コミュニケーション社会だということである。

~引用部終わり~
最終更新:2013年01月26日 08:25