「私が考える良い走りの条件」2011.11.6

先日の箱根駅伝予選会、今日の全日本大学駅伝を見て。
これに出雲駅伝、東日本実業団駅伝は該当し辛いだろうと思いますが。

まず、長い距離を走る(20km等やマラソン)、一人でそこそこ長い距離を走る駅伝等。
ここに最初の動きが維持できるであろう短い距離の駅伝や、トラック、
実業団のようにハイレベルでフォームを維持できる基礎レベルが高いレースはこの話から排除します。

筋力や、基礎が弱く、走り出しの良い動きが後半に維持できない、
または、レースの後半を前半のまま維持できない距離やコースの場合、
後半のペースダウンを如何に防ぐかで結果は大きく変わるでしょう。
箱根駅伝予選会での後半伸びてきた日本人選手のS選手や、
今日全日本大学駅伝で距離自体はさほど長くは無い12k程度といえど、
他校の選手が失速する中で大きく後半伸ばしてきたD選手などは、良い走りの条件とみなします。

後半の失速を防ぐには、そもそも前半を押さえて余裕を持ったペース配分を保つ方法と、
ある程度ハイペースではある中でも、後半の失速を下げたい場合とあるでしょう。
いずれにしろ、前半はストライドであれ、ピッチ走法であれ、元気なうちは伸びやかに走れる。
しかし、一度疲れてきた場合はストライドが縮む、ないしはピッチが大きく落ちる現象が生じる。
勿論、意図的に苦しいから下げてしまうのではどうしようもないのですが、
ある程度トレーニングで対策が出来るでしょう。

対策の一つは、実業団選手や、海外の選手のように基礎を高く、圧倒的な力を付けてしまうことです。
それが誰でも出来るのならば苦労しません。
地道にそのレベルを目指し、ウエイトトレや、コアトレ等補強し、身体を強化していくしかありません。

また、次善の策はというと、走り込みが上げられるでしょう。
特にマラソンや、箱根駅伝を目指す大学の中ではこれが重要視されています。
その中でただ距離を踏んでいるだけなのと、ある目的を持って走っているのとでは怖ろしく結果が変わります。
何処がかというと、後半の失速を防ぐにはピッチの低下を防ぐ。
その為には、苦しいときに前に前に脚を運び続けるトレーニングが必要でしょう。

それはどんなトレーニングか。

大多数のチームはアップダウンのあるコースを選択し、走りこみます。
理由としては、やはり苦しいときに上り坂で脚を前に運び続けるトレーニングを入れたいから。
苦しいときに登りで失速し、下りでペースを上げて追いつくためでは決してありません。
我慢して、我慢して脚を前に出し続ける。
また、合宿等で走りこみ、脚が疲れている中でもジョグや集団走を通じ、
ペースを落とさずに走りこむことで、レース中でも脚を前に出し続け、失速を防ぐことが出来る。
その為に夏合宿を始めとする、厳しいトレーニングを課していると言っても良いでしょう。

これは日々のトレーニングでも言える事です。
普段からちょっとしんどい時にジョグでも著しくペースを落とし、疲れ具合に応じたペースでしか
走らない選手を見受けますが、それでは後半の粘りは生み出せません。
きつくても、ある程度我慢してペースを保つ。
脚が動かなくても、普段から起伏を取り入れる。苦しくても・・・。
そうすることで、後半に粘り強い選手になっていけると考えています。

そういったことを考えて、私は現役時代走り込みをしていました。
特に起伏を取り入れた練習を重視していたことである程度の粘り強さを生み出せていたと思います。
うちの選手もそういった部分で、まだまだ成長の余地があり、改善できる部分だと思います。
常にそういった「良い走り」とは何か。
研究し、トレーニングに活かしていきたいものですね。
最終更新:2013年01月25日 15:28