第00話 開幕-セキギメ-
私は昼寝が好きだ。
だがしかし、勘違いしないで頂きたいことが1つある。
それは、『昼寝好き』と『居眠りが多い』は別ものであるということだ。
私のいう『昼寝』はきちんとした場所できちんと眠る体勢を整えてから眠ることであり、
決して授業中のような眠ってはいけないシチュエーションで夢の世界へ逃避することではない。
私は授業中に居眠りなんかしないし、友人が車を運転する横で無神経に眠りこけたりもしないのだ。
だがしかし、勘違いしないで頂きたいことが1つある。
それは、『昼寝好き』と『居眠りが多い』は別ものであるということだ。
私のいう『昼寝』はきちんとした場所できちんと眠る体勢を整えてから眠ることであり、
決して授業中のような眠ってはいけないシチュエーションで夢の世界へ逃避することではない。
私は授業中に居眠りなんかしないし、友人が車を運転する横で無神経に眠りこけたりもしないのだ。
そう、眠っていたはずがない。
別に居眠りをするほど疲労してはいなかったのだし、居眠りする理由がない。
そもそも蒲原の運転は、居眠りを許すほど乗り心地のいいものではない。
別に居眠りをするほど疲労してはいなかったのだし、居眠りする理由がない。
そもそも蒲原の運転は、居眠りを許すほど乗り心地のいいものではない。
「お、ゆみちんやっと起きたかー」
「センパイ、大丈夫っすか?」
「センパイ、大丈夫っすか?」
では、気絶していたとでもいうのだろうか。
あれほど荒い運転だ、頭をぶつけ意識を失ったとしてもおかしくはない。
私を起こし不安そうに見つめてくるモモ達の表情を見ると、気絶していたで間違いないのではと思えてくる。
あれほど荒い運転だ、頭をぶつけ意識を失ったとしてもおかしくはない。
私を起こし不安そうに見つめてくるモモ達の表情を見ると、気絶していたで間違いないのではと思えてくる。
「モモか……ここはどこだ?」
だが、それもありえないのだ。
もしも車内で気絶したのだとしたら、車の中か車の傍で起こされなければおかしい。
運ばれたとしたら、布団なりソファなりに乗っているはず。
少なくとも、見ず知らずの体育館のような場所に寝かせるなんて真似はするまい。
もしも車内で気絶したのだとしたら、車の中か車の傍で起こされなければおかしい。
運ばれたとしたら、布団なりソファなりに乗っているはず。
少なくとも、見ず知らずの体育館のような場所に寝かせるなんて真似はするまい。
「あ、加治木先輩、起きられたんですね」
声のした方に目をやると、津山が小走りに駆け寄ってきていた。
そんな津山を蒲原が脳天気な声で出迎える。
そんな津山を蒲原が脳天気な声で出迎える。
「おかえりー、どうだった」
「文堂さんに聞いたんですけど、やっぱり帰る途中からの記憶がないそうです」
「私達と、同じ……」
「文堂さんに聞いたんですけど、やっぱり帰る途中からの記憶がないそうです」
「私達と、同じ……」
震える妹尾を蒲原が慰める。
そんな微笑ましくもある光景から視線を外し、周囲を見渡してみた。
この体育館には、どうやら私達以外にも数名がいるらしい。
そんな微笑ましくもある光景から視線を外し、周囲を見渡してみた。
この体育館には、どうやら私達以外にも数名がいるらしい。
津山の報告通り風越の5人がバスケゴールの下でコーチと思しき大人を中心に何やら話し合っている。
どうやらここには清澄や龍門渕といった合宿メンバー全員がいるようだ。
その他にも、合宿では見なかった顔が数名ほど見受けられる。
どうやらここには清澄や龍門渕といった合宿メンバー全員がいるようだ。
その他にも、合宿では見なかった顔が数名ほど見受けられる。
「あの……ちょっといいですか?」
声の方に顔を向けると、合宿で津山と親しくなったらしい文堂という少女が蒲原達に話しかけていた。
合宿で見なかった顔を観察している間に、こちらに歩み寄っていたらしい。
腰を上げ、その輪の中に私も加わることにした。
合宿で見なかった顔を観察している間に、こちらに歩み寄っていたらしい。
腰を上げ、その輪の中に私も加わることにした。
「何が何だか分かりませんけど、とりあえず皆で固まって様子をみようってことになりまして……
よかったら、一緒に舞台の前にでも固まりませんか」
よかったら、一緒に舞台の前にでも固まりませんか」
団体の代表である蒲原に、たどたどしく目的を伝える文堂。
……この手の真面目な話を蒲原にしても無駄だと思うが。
……この手の真面目な話を蒲原にしても無駄だと思うが。
「ワッハッハ。小難しいことはよく分からないけど、どうせ他にやることもないし、了承しようかー」
ほらな。案の定軽いノリで決めた。意思確認も特にせず。
まあ、意思確認をしたところで満場一致で賛成になったと思うが。
訳のわからぬこの状況、一人でも多くの知り合いといたいと思うのは普通の感情だろう。
まあ、意思確認をしたところで満場一致で賛成になったと思うが。
訳のわからぬこの状況、一人でも多くの知り合いといたいと思うのは普通の感情だろう。
「ど、どうも~……」
「おじゃましま~す……」
「おじゃましま~す……」
若干、いやかなり気まずそうに入ってきた初対面の二人組を最後に、舞台前への集合が終わった。
知人が少ないのだろうか、二人組は隅っこの方で黙りこくっている。
実際私も彼女達を見るのは初めてだった。
他にも初めて見る相手はいたが、そのほとんどが私の見知った集団に最初から混ざっていた。
知人が少ないのだろうか、二人組は隅っこの方で黙りこくっている。
実際私も彼女達を見るのは初めてだった。
他にも初めて見る相手はいたが、そのほとんどが私の見知った集団に最初から混ざっていた。
ちなみの彼女達の他にも、最初からグループに入っていなかった人はいる。ポニーテールの少女だ。
確か名を南浦といったか。
直接の面識はないが、個人戦で好成績を残していたので印象に残っている。
確か、津山も彼女にやられたはずだ。
確か名を南浦といったか。
直接の面識はないが、個人戦で好成績を残していたので印象に残っている。
確か、津山も彼女にやられたはずだ。
他にも一人、孤立していた少女がいた。
目付きの悪い小柄な少女だ。
こちらは全く記憶にない。
が、彼女は早々に輪の中に入ってきていた。
まあ、不安でそうなるというのは、よく分かる話である。
目付きの悪い小柄な少女だ。
こちらは全く記憶にない。
が、彼女は早々に輪の中に入ってきていた。
まあ、不安でそうなるというのは、よく分かる話である。
「マリア様のこ~ころ~」
「!?」
「!?」
話し合い(といっても、主に風越のコーチとキャプテンと吉留、それに久と原村と沢村くらいしか建設的な意見を出していなかった気がするが)の場が、突如流れてきた音楽により騒然となる。
「何? 何この歌?」
「華菜ちゃん知ってるし! マリア様のこころだし!」
「そういうことを聞いてんじゃねえぞ池田ァァァ!!」
「一体どこから……」
「きっとあそこのスピーカーだじぇ!」
「華菜ちゃん知ってるし! マリア様のこころだし!」
「そういうことを聞いてんじゃねえぞ池田ァァァ!!」
「一体どこから……」
「きっとあそこのスピーカーだじぇ!」
ざわつきを、バン、という大きな音が遮る。
するといつもの習性か、場はシンと静まり返った。
もっとも、バンという音は教師が机や黒板を叩いた音などではなく、体育館の扉を開けたものだったのだけれど。
するといつもの習性か、場はシンと静まり返った。
もっとも、バンという音は教師が机や黒板を叩いた音などではなく、体育館の扉を開けたものだったのだけれど。
「おいおい、扉は開かないんじゃなかったのか!?」
「決まってますわ! 中から開けられなかっただけ! つまり――」
「決まってますわ! 中から開けられなかっただけ! つまり――」
扉の向こうを注視しながら、龍門渕が呟く。
「私達を閉じ込めた方々なら、容易く扉を開けられてもおかしくないということですわ」
鬼が出るか蛇が出るか。
自分達をこんなところまで拉致してきて軟禁した奴なのだ、どんな犯罪者が来ようともそうそう驚きはしない。
自分達をこんなところまで拉致してきて軟禁した奴なのだ、どんな犯罪者が来ようともそうそう驚きはしない。
「なッ……!?」
それでも驚いてしまったのは、扉から入ってきたのが大量の迷彩服の男性だったからではない。
まさか正規の軍隊ではないだろうし、これだけの人数の拉致を単独でやるのも無理だろうから、軍服に身を包んだ誘拐犯がたくさんいてもさほど大きな驚きはない。
異質なのは、軍服に囲まれ悠々と入ってきた男の姿。
頭の上に光る皿を乗せた(蛍光塗料でも塗っているのだろうか、うっすらと輝いている)その中年男性は、ゲームに出てくる聖職者のような衣服を身にまとっている。
その手には、街角で配られたこともある聖書が握られていた。
まさか正規の軍隊ではないだろうし、これだけの人数の拉致を単独でやるのも無理だろうから、軍服に身を包んだ誘拐犯がたくさんいてもさほど大きな驚きはない。
異質なのは、軍服に囲まれ悠々と入ってきた男の姿。
頭の上に光る皿を乗せた(蛍光塗料でも塗っているのだろうか、うっすらと輝いている)その中年男性は、ゲームに出てくる聖職者のような衣服を身にまとっている。
その手には、街角で配られたこともある聖書が握られていた。
「貴女が私達をこんなところに連れてきたんですの!?」
「ここどこだし!」「何のつもりですか?」
「さっさと開放しやがれ!」「なんなんだよ!」
「っていうかこの首輪何なんですか?」「この首輪苦しいんですけど……」
「ここどこだし!」「何のつもりですか?」
「さっさと開放しやがれ!」「なんなんだよ!」
「っていうかこの首輪何なんですか?」「この首輪苦しいんですけど……」
皆口々に相手に言葉を投げつける。
集団心理というやつだろうか、自分達を拉致した相手だというのに強気である。
私はというと、とてもそんな恐ろしい真似は出来ずモモの手を握り締めているだけだった。
モモの手を握っていない方の手は、蒲原の腕を掴んでいる。
一緒になって野次を飛ばそうとした蒲原を止めたのだ。
集団心理というやつだろうか、自分達を拉致した相手だというのに強気である。
私はというと、とてもそんな恐ろしい真似は出来ずモモの手を握り締めているだけだった。
モモの手を握っていない方の手は、蒲原の腕を掴んでいる。
一緒になって野次を飛ばそうとした蒲原を止めたのだ。
「……コホン」
野次にも負けず、男性は壇上にまで上がっていった。
軍服が列を為していたのもあって、皆言葉はぶつけながらも肉体的な行動に出ることは出来ないでいた。
何ら妨害されることもなく壇上に辿り着いた男性は、咳払いをし、言い放った。
軍服が列を為していたのもあって、皆言葉はぶつけながらも肉体的な行動に出ることは出来ないでいた。
何ら妨害されることもなく壇上に辿り着いた男性は、咳払いをし、言い放った。
「グゥゥゥゥゥゥゥッモーニンっ!」
あまりの声の大きさとテンションの高さに、場がしんと静まり返る。
あの風越の池田でさえも、呆気に取られているようだった。
あの風越の池田でさえも、呆気に取られているようだった。
「ワタシが日本国に神のご加護をもたらすためにバチカンから派遣された宣教師『サンフランシスコ・ザフィケル』デス。
皆サン気軽に『ザビィ』って呼んでくだサ~~~イ」
「はあ? ふざけんじゃねーよ」
「付き合ってらんないね」
皆サン気軽に『ザビィ』って呼んでくだサ~~~イ」
「はあ? ふざけんじゃねーよ」
「付き合ってらんないね」
パイナップルのような頭の女子が、友人と思しき眼鏡の女子と一緒に出口へと向かっていく。
イカレてるのか? この状況で……
何をされるか分からないこの状況でその行動は些か短慮に思えた。
イカレてるのか? この状況で……
何をされるか分からないこの状況でその行動は些か短慮に思えた。
「ハーイ、帰すわけにはいきまセーン。キミ達二人はァ、厳選な抽選の結果当て馬に選ばれたんデスから」
「当て馬ァ?」
「イエース」
「当て馬ァ?」
「イエース」
当て馬という単語にカチンと来たのか、パイナップルがザフィケルとやらに突っかかる。
それに便乗し、再び野次が飛び交い始めた。
それに便乗し、再び野次が飛び交い始めた。
「なんだよその上から目線は!」
「いい加減帰してもらえませんこと!?」
「っていうか名前なんて聞いてないし! ここどこだし!」
「ねえ、この首輪なんなの?」
「ハイしーずーかーにー」
「いい加減帰してもらえませんこと!?」
「っていうか名前なんて聞いてないし! ここどこだし!」
「ねえ、この首輪なんなの?」
「ハイしーずーかーにー」
パンパンと手を叩き、まるで教師がそうするかのように場を収めようとするザフィケル。
「今から全て説明しマス」の言葉で、ようやくざわつきは収まってきた。
「今から全て説明しマス」の言葉で、ようやくざわつきは収まってきた。
「まず最初にィ……クイズで~~~す。君たちの共通点はなんでショ~~~~~ウか?」
共通点。
それがあるということは、この拉致には何か意味があるということだ。
一体、どういう目的だ?
それがあるということは、この拉致には何か意味があるということだ。
一体、どういう目的だ?
「分かったし! 女子高生が共通点だし!」
「はい違いマース。貴女の後ろの方がジェーケーとか無理アリアリでーす」
「池田ァァ! あんまり矢鱈滅多に答えるんじゃねーぞ!」
「はい違いマース。貴女の後ろの方がジェーケーとか無理アリアリでーす」
「池田ァァ! あんまり矢鱈滅多に答えるんじゃねーぞ!」
風越のコーチがいることを考えると、年齢縛りではない。
とすると、恐らくは――
とすると、恐らくは――
「麻雀、かしら」
先に久が答えを呟く。
当て馬扱いされた二人は見たことがないが、恐らくは麻雀を齧るくらいはしているだろう。
ベスト4にも入っていない、だからこそ当て馬呼ばわりなのだと考えればつじつまが合う。
当て馬扱いされた二人は見たことがないが、恐らくは麻雀を齧るくらいはしているだろう。
ベスト4にも入っていない、だからこそ当て馬呼ばわりなのだと考えればつじつまが合う。
「ハイせいかーい。竹井サン、でしたネ。貴女に10ポイーンツ!」
にこやかな笑顔を浮かべて、ザフィケルが拍手を送る。
何名か釣られるように拍手をしてたが、私はしないでおいた。
何名か釣られるように拍手をしてたが、私はしないでおいた。
「更に言うト、基本は某麻雀合宿MENBERデ~ス。
そこに個人戦成績優秀者の南浦さんや当て馬数名を混ぜたのがこの集まりデース」
そこに個人戦成績優秀者の南浦さんや当て馬数名を混ぜたのがこの集まりデース」
合宿のメンバーが、つまり、自分達が本命の狙いだったということ。
一体こいつは私達を拉致して何をするつもりなんだ?
一体こいつは私達を拉致して何をするつもりなんだ?
「だから当て馬言うなっての」
「まぁまぁ、それより話を続けマスよー。
皆サンはー言い換えるならば、未来の外交官の集まりなのデース」
「……は?」
「まぁまぁ、それより話を続けマスよー。
皆サンはー言い換えるならば、未来の外交官の集まりなのデース」
「……は?」
思わず間の抜けた声が漏れてしまう。
周囲も当然ざわついていた。
外交官って……こいつは一体何を言っているんだ?
周囲も当然ざわついていた。
外交官って……こいつは一体何を言っているんだ?
「無知なジャパニーズスチューデンツは知らなくても無理はありませんがァ……外交とは、本来麻雀で行われるものなのデース。
勿論、強くなくては成り立たナイ……言ってること分かりマースかぁー?」
「全ッ然分かんないし!」
勿論、強くなくては成り立たナイ……言ってること分かりマースかぁー?」
「全ッ然分かんないし!」
今回ばかりは池田に全面賛成だ。
正直何を言っているんだか分からない。
正直何を言っているんだか分からない。
「要するに、外交とは他国と色々な物を賭けて麻雀をすることなのデス。
麻雀強者の貴女方は、未来の外交官候補と言えマス」
「そんな外交、聞いたことがありませんわ!」
「いくら金持ちだからと言って、世界の全てを知れるわけではアリませぇ~~ん。
自分の知る世界が世界の全てと思い込むなんてしてはダメですヨ~~~~~。
それは視野を狭くしてしまい、外交官への道が遠ざかってしまいマぁ~~~~~ス」
麻雀強者の貴女方は、未来の外交官候補と言えマス」
「そんな外交、聞いたことがありませんわ!」
「いくら金持ちだからと言って、世界の全てを知れるわけではアリませぇ~~ん。
自分の知る世界が世界の全てと思い込むなんてしてはダメですヨ~~~~~。
それは視野を狭くしてしまい、外交官への道が遠ざかってしまいマぁ~~~~~ス」
誰も外交官になりたいなんて言ってないのだが……
全く、好き放題言ってくれる。
全く、好き放題言ってくれる。
「オウ、何で自分達がって顔をしていマスね! イイ質問ですねぇ。
この国はァ、かつてない危機にひんしていマス! 何故か分かりますかァ?」
「…………」
この国はァ、かつてない危機にひんしていマス! 何故か分かりますかァ?」
「…………」
場内が沈黙に包まれる。
当然だ、こんな無茶苦茶な話をする奴の理屈がわかるわけがないのだから。
当然だ、こんな無茶苦茶な話をする奴の理屈がわかるわけがないのだから。
「だめー。ハイだめー。まったく、YOU達は素質があるのにダメダメですネー。
いいですかー、日本はもうダメになってしまいまシター。
恐るべきナチスドイツとの戦いなどでエースを失いィ……強い雀士がいなくなったのです」
「なんだよナチスドイツって……」
「自民党時代ならば後続にも期待できましたがァ……民主党政権じゃそれも期待できませぇ~~~ん」
いいですかー、日本はもうダメになってしまいまシター。
恐るべきナチスドイツとの戦いなどでエースを失いィ……強い雀士がいなくなったのです」
「なんだよナチスドイツって……」
「自民党時代ならば後続にも期待できましたがァ……民主党政権じゃそれも期待できませぇ~~~ん」
誰かの呟きも無視し、ザフィケルは話を進める。
ナチスドイツと戦うって、一体何の冗談だ。
第二次世界大戦中の話だったとしても、ナチスドイツは味方だっただろうに。
ナチスドイツと戦うって、一体何の冗談だ。
第二次世界大戦中の話だったとしても、ナチスドイツは味方だっただろうに。
「ご存知、自民党は『マー“ジ”ャン“民”の“党”』の略デス……彼らは雀士育成に力を入れてマシタ……
バットしかし民主党は『“みん”なでベイブレードゴー“シュートゥ!”』の略……
何を血迷ったか新たな外交手段にベイブレードを推し、大失敗していマース。
そんな彼らですからァ、麻雀の腕はカラッキシなわけデス」
バットしかし民主党は『“みん”なでベイブレードゴー“シュートゥ!”』の略……
何を血迷ったか新たな外交手段にベイブレードを推し、大失敗していマース。
そんな彼らですからァ、麻雀の腕はカラッキシなわけデス」
血迷っているのはお前の頭だ。
話している内容は、イカレているとしか思えない。
話している内容は、イカレているとしか思えない。
「そこでェ……偉い人は相談して、急遽若者からセンスのある人間を外交官にすることに決めまシタ。
首相の許可証もありマス」
首相の許可証もありマス」
場内が再びざわつく。
首相が拉致に一枚噛んでる? タチの悪い冗談だろう?
首相が拉致に一枚噛んでる? タチの悪い冗談だろう?
「貴女方は並のプロよりセンスがアリまーす。能力の発現がその証拠デース。
REAL強者雀士は能力を身につけるモノ……その片鱗が貴女方には満載なのデス!」
REAL強者雀士は能力を身につけるモノ……その片鱗が貴女方には満載なのデス!」
能力なんてものはない。
そう反論してやりたかったが、私の袖を強く握るモモの存在を思い出し、一概に能力の存在を否定できなくなった。
超能力なんてものは存在しないと思っているが、麻雀におけるオカルトを能力と称するなら、実在してもおかしくないと思っている。
そう反論してやりたかったが、私の袖を強く握るモモの存在を思い出し、一概に能力の存在を否定できなくなった。
超能力なんてものは存在しないと思っているが、麻雀におけるオカルトを能力と称するなら、実在してもおかしくないと思っている。
「難点は若さ故のメンタルの弱さ。そこで我々大人はァ……立派な外交官を作るために、強攻策に出ることにしました」
それが、拉致か。むりやり強化合宿でもさせる気なのか?
そんな考えは甘かったと、直後に思い知らされる。
そんな考えは甘かったと、直後に思い知らされる。
「なので、今日はちょっと皆さんに、殺し合いをしてもらいます」
「……え?」
まるで『今日はサンマで打とうか』と提案するかのように軽いノリで伝えられたそれ。
それは理解の範疇を余裕で飛び出していた。
他のみんなもそうだったらしく、ざわめきが大きくなる。
まるで『今日はサンマで打とうか』と提案するかのように軽いノリで伝えられたそれ。
それは理解の範疇を余裕で飛び出していた。
他のみんなもそうだったらしく、ざわめきが大きくなる。
「ルールは簡単。最後の一人になるまで殺し合い、最後まで生きていた人の勝ち。反則はありません。
武器はランダムに食料や水と一緒に出発時に配りマース。
当たり外れがありますが、それはまあ、配牌が悪かったものと思って頑張って下サーイ」
武器はランダムに食料や水と一緒に出発時に配りマース。
当たり外れがありますが、それはまあ、配牌が悪かったものと思って頑張って下サーイ」
騒音にも負けず、ルール説明を続けるザフィケル。
本当なら他の連中に混ざって抗議すべきなのかもしれないが、私の頭はルールを叩き込むことだけに注力されていた。
ありえないと思っているのに、拉致の規模の大きさからかありえるかもと思っている自分もいる。
その自分が、きちんとルールは把握しておけと言ってくるのだ。
本当なら他の連中に混ざって抗議すべきなのかもしれないが、私の頭はルールを叩き込むことだけに注力されていた。
ありえないと思っているのに、拉致の規模の大きさからかありえるかもと思っている自分もいる。
その自分が、きちんとルールは把握しておけと言ってくるのだ。
「えー……皆サンが嘘だろトカやっかましいのでぇ~~……ちょっと早いですが重大発表をしたいと思いマ~~ス」
実はドッキリでした、なんて淡い期待は、すぐに打ち砕かれた。
運び込まれてきたのは、縦に長いゴルフクラブを入れる袋のようなもの。
中には歪なものが入っているらしく、ところどころがパンパンに膨らんでいた。
運び込まれてきたのは、縦に長いゴルフクラブを入れる袋のようなもの。
中には歪なものが入っているらしく、ところどころがパンパンに膨らんでいた。
「えー……本当はスムーズに進行してもらうタメに、皆サンと親しい藤田プロに進行をお願いしたかったのですが……」
軍服の連中が運んできた袋を床に起き、そのジッパーに手をかけた。
そして、ゆっくりとジッパーを下ろしていく。
そして、ゆっくりとジッパーを下ろしていく。
「親しスギたのカ、反対されまシテ……
最初はまあ、親睦を深めれば言う通りにしてクレると思って何人かで“仲良く”やろうとしたんですが、それでも全力で抵抗してきたノデ……」
最初はまあ、親睦を深めれば言う通りにしてクレると思って何人かで“仲良く”やろうとしたんですが、それでも全力で抵抗してきたノデ……」
開かれたジッパーから漏れ出したのは、赤い塗料。
ごつごつした中身は、肌色のキャンバスに赤を塗りたくったような悪趣味なオブジェだった。
いや、オブジェと化した藤田プロの肢体だった。
ごつごつした中身は、肌色のキャンバスに赤を塗りたくったような悪趣味なオブジェだった。
いや、オブジェと化した藤田プロの肢体だった。
「だからソノ、まぁ、つまり――藤田プロには死んで頂いちゃいまシタ」
肢体はすっかり死体と呼ぶに相応しい光景になっている。
これがオモチャや特殊メイクの類ではないことは人目でわかる。
はみ出した“中身”の醜悪さやこの吐き気を催す臭いは、偽物には出せるまい。
これがオモチャや特殊メイクの類ではないことは人目でわかる。
はみ出した“中身”の醜悪さやこの吐き気を催す臭いは、偽物には出せるまい。
「センパイ……」
袖を握る力を強められ、ようやく我に返る。
モモのその手はカタカタと震えていたというのに、全く気付いていなかった。
本当なら怯えるモモを励ましてやらねばならなかったのに。
私自身、衝撃の大きさに動揺しているということか。
モモのその手はカタカタと震えていたというのに、全く気付いていなかった。
本当なら怯えるモモを励ましてやらねばならなかったのに。
私自身、衝撃の大きさに動揺しているということか。
「大丈夫だ、落ち着け、落ち着けモモ……」
何が大丈夫なのか。
冷静な自分が心の中で拙い言葉にツッコミを入れる。
しかしそれでも呆然としているよりはマシだったらしく、津山は少し落ち着いたようだった。
落ち着いたというよりも、縋る対象を見つけただけにも見えるけども。
冷静な自分が心の中で拙い言葉にツッコミを入れる。
しかしそれでも呆然としているよりはマシだったらしく、津山は少し落ち着いたようだった。
落ち着いたというよりも、縋る対象を見つけただけにも見えるけども。
「津山も、妹尾もだ。慌ててもどうにもならない。今はとりあえず落ち着こう
パニックになりかける妹尾へと声をかける蒲原の元へ歩み寄り、鶴賀の5人で再び固まり自体を見守ることにする。
人の死は正直言って衝撃的だが、そこまで悲しみの感情は湧かなかった。
私達への仕打ちに反対したらしい藤田プロには申し訳ないが、今は自分達のことが最優先だ。
蒲原の元へ行く途中に視界に入ってきたのだが、どうやら久も同じ考えらしい。
混乱する部員たちを宥めすかしているのが見えた。
藤田プロとは親しげだったというのに……相変わらず強い奴だ。
人の死は正直言って衝撃的だが、そこまで悲しみの感情は湧かなかった。
私達への仕打ちに反対したらしい藤田プロには申し訳ないが、今は自分達のことが最優先だ。
蒲原の元へ行く途中に視界に入ってきたのだが、どうやら久も同じ考えらしい。
混乱する部員たちを宥めすかしているのが見えた。
藤田プロとは親しげだったというのに……相変わらず強い奴だ。
「は~~い静粛にぃ~~~~。藤田プロは残念でしたが、その犠牲を無駄にシないためにも立派な外交官になって下サイね~~~~」
怒りをグッと堪えて話を聴く。
風越の池田や龍門渕の天江衣が何かを言いそうだったが、福路や龍門渕が必至に押しとどめているのが見えた。
風越の池田や龍門渕の天江衣が何かを言いそうだったが、福路や龍門渕が必至に押しとどめているのが見えた。
「ああ、ソウソウ、お友達に殺される以外にモォ~~~~、死んでしまう可能性がありマ~~~~~~~ス。
それはズバリ! いい加減お気づきでショウが、皆サンが付けているこの首輪デ~~~~~~~ス」
それはズバリ! いい加減お気づきでショウが、皆サンが付けているこの首輪デ~~~~~~~ス」
背後からカチャカチャと音が聞こえてくる。
誰かが首輪に触れているのだろう。
危ないから触れないほうがいい、と小声でモモに耳打ちする。
津山も弄っているようだが、位置関係的に話しかけるには大きな動作が必要とされるので、自粛せざるを得なかった。
この状況では目立たずに様子を伺うことこそ最優先だと思っている。
誰かが首輪に触れているのだろう。
危ないから触れないほうがいい、と小声でモモに耳打ちする。
津山も弄っているようだが、位置関係的に話しかけるには大きな動作が必要とされるので、自粛せざるを得なかった。
この状況では目立たずに様子を伺うことこそ最優先だと思っている。
「この首輪には爆弾と発振器が仕込まれてマース。
……あ、安心していいデスよー。簡単に爆発なんてさせませんからー」
……あ、安心していいデスよー。簡単に爆発なんてさせませんからー」
胡散臭いにこやかな笑顔が腹立たしい。
しかし誰も文句を言うものはいなかった。
ぼとり、と藤田プロの中身の一部が床に落ちた音だけが響き渡る。
それから、一息吐いて、言った。
しかし誰も文句を言うものはいなかった。
ぼとり、と藤田プロの中身の一部が床に落ちた音だけが響き渡る。
それから、一息吐いて、言った。
「後で配布する地図にも書かれていマスが、この島は複数のAREAに別れてイテ、各々に名前がついてマス。
ソシテ、一定時間毎に、立ち入り禁止のAREAが増やされてイクというわけデース。
勿論立ち入ったら瞬時に首輪が爆発するので、一箇所に引き篭もったりはできますぇ~~~~ん。
あ、それと、この体育館は今後本部として使いマスが、GAME開始直後に立ち入り禁止になるので、絶対に近寄ったりしないで下サ~~~~イ。
あと、無理やり外そうとしても爆発シマスから、ちゃんと戦って下サイね。
誰も6時間死ななかった場合には全員の首輪が爆発するので、絶対にそんなことにならないようにネ☆」
ソシテ、一定時間毎に、立ち入り禁止のAREAが増やされてイクというわけデース。
勿論立ち入ったら瞬時に首輪が爆発するので、一箇所に引き篭もったりはできますぇ~~~~ん。
あ、それと、この体育館は今後本部として使いマスが、GAME開始直後に立ち入り禁止になるので、絶対に近寄ったりしないで下サ~~~~イ。
あと、無理やり外そうとしても爆発シマスから、ちゃんと戦って下サイね。
誰も6時間死ななかった場合には全員の首輪が爆発するので、絶対にそんなことにならないようにネ☆」
もう誰も何も喋らない。
ただただ皆、この理不尽な人殺しゲームのルールを頭に叩き込んでいる。
ただただ皆、この理不尽な人殺しゲームのルールを頭に叩き込んでいる。
「あ、立ち入り禁止のAREA――私達は『禁止エリア』と呼んでイルのですガ、これは6時間ゴトに島内放送でお知らせしマス。
その際ついでにその6時間で死んでしまった雀士諸君の名前も教えてあげますから、名前を呼ばれないように張り切って下サ~~イ!」
その際ついでにその6時間で死んでしまった雀士諸君の名前も教えてあげますから、名前を呼ばれないように張り切って下サ~~イ!」
そう言うと、ザフィケルはパンパンと手を叩いた。
すると、兵士たちが何やら黒塗りの箱を運んでくる。
縦長の箱は、人がすっぽり収まりそうな大きさはある。
すると、兵士たちが何やら黒塗りの箱を運んでくる。
縦長の箱は、人がすっぽり収まりそうな大きさはある。
「それでは、出発してもらいマスが、質問はありまスカ~? ありませんネ~~~?」
こんな空気で質問など出来るわけがない。
それを自覚しているのか、早々に質問タイムを打ち切ってザフィケルは出発方法の説明へと入っていった。
それを自覚しているのか、早々に質問タイムを打ち切ってザフィケルは出発方法の説明へと入っていった。
「皆サンにはこれから、このBOXに入ってもらいマス。
お察しの通り、その後は我々でSTART地点に運ばせてもらいマスので、扉が空いたらGAME STARTデス。
どのBOXがどこでSTARTかは決定済みですが内緒デ~ス。
望み通り引けるカモ、一流の外交官には必要なSKILLなのデスヨ」
お察しの通り、その後は我々でSTART地点に運ばせてもらいマスので、扉が空いたらGAME STARTデス。
どのBOXがどこでSTARTかは決定済みですが内緒デ~ス。
望み通り引けるカモ、一流の外交官には必要なSKILLなのデスヨ」
まるで棺桶だな。
そんな感想を不謹慎にも抱いてしまう。
まあ、藤田プロの様子を見る限り、これは棺桶と見てもほぼ正解だと思われるが。
そんな感想を不謹慎にも抱いてしまう。
まあ、藤田プロの様子を見る限り、これは棺桶と見てもほぼ正解だと思われるが。
「ちなみにBOXはSHUFFLEされるノデ、友人同士隣合ってもSTART地点が近いとは限りませんヨ。
それじゃあ、先程クイズに正解した清澄の方からお好きなBOXを選んでもらいまショウか」
「……選べるのが多いのって、苦手なんだけどねえ……」
それじゃあ、先程クイズに正解した清澄の方からお好きなBOXを選んでもらいまショウか」
「……選べるのが多いのって、苦手なんだけどねえ……」
苦笑いを浮かべながら、久が誰よりも先に一番近くのボックスへと足を運ぶ。
こちらを向いて箱の中に入り込み、大丈夫と言わんばかりに全員に向けてウインクをしてみせた。
その久を囲むように、清澄のメンバーが次々箱へと入って行く。
こちらを向いて箱の中に入り込み、大丈夫と言わんばかりに全員に向けてウインクをしてみせた。
その久を囲むように、清澄のメンバーが次々箱へと入って行く。
「デハ、ここからは学校名五十音順で行きマスよ~~~。
お次は鶴賀の5人! お好きなBOXへどうぞー!」
お次は鶴賀の5人! お好きなBOXへどうぞー!」
津山や妹尾が心配そうにこちらを見てくる。
せいぜい言えるのは、当たり障りの無い励ましの言葉だけだ。
というか、私自身が励まされたい気分なのに、正直他者を励ます余裕なんて持ち合わせていない。
せいぜい言えるのは、当たり障りの無い励ましの言葉だけだ。
というか、私自身が励まされたい気分なのに、正直他者を励ます余裕なんて持ち合わせていない。
「……シャッフルされるということは、隣り合ったボックスほど近場に置かれ辛いということだ。極力離れて箱に入ろう」
唯一思いついた建設的意見に、皆納得してくれた。
本当は、助けを乞うような視線に耐えられなかったから考えた案なのに。
まったく、最低で卑怯者だな、私は……
本当は、助けを乞うような視線に耐えられなかったから考えた案なのに。
まったく、最低で卑怯者だな、私は……
「センパイ……」
「モモ……大丈夫だよ、モモ……きっとまた会える」
「モモ……大丈夫だよ、モモ……きっとまた会える」
唯一、モモとも離れ離れになるのが心残りだった。
最後にぎゅっと手を握り返し、適当な箱へと足を運ぶ。
モモは、私の正面の箱を選んだ。
そして、他の連中が箱を選び終えるまで、ずっと手を振ってきていた。
死ぬのはやはり怖いのだろう。
動きが小さかったのは、きっとあのザフィケルに警告されないためだ。
それでも振り続けていたのは、私を慕ってくれているからか。
誰がどの箱を選んだのかなんて、気にしていたらモモが見えなくなっていただろう。
だから私は、蓋が降りてくるまでずっとモモを見続けた。
けれど、結局最後の最後まで手を振り返せなかった。
最後にぎゅっと手を握り返し、適当な箱へと足を運ぶ。
モモは、私の正面の箱を選んだ。
そして、他の連中が箱を選び終えるまで、ずっと手を振ってきていた。
死ぬのはやはり怖いのだろう。
動きが小さかったのは、きっとあのザフィケルに警告されないためだ。
それでも振り続けていたのは、私を慕ってくれているからか。
誰がどの箱を選んだのかなんて、気にしていたらモモが見えなくなっていただろう。
だから私は、蓋が降りてくるまでずっとモモを見続けた。
けれど、結局最後の最後まで手を振り返せなかった。
(やはり私は卑怯者だな――)
ガシャン、と音を立て、目の前が真っ暗になる。
そしてしばらく揺れを感じたあと、数分置いて箱の扉が開かれた。
それでも開放感などない。
待っているのは、死と絶望だけである。
そしてしばらく揺れを感じたあと、数分置いて箱の扉が開かれた。
それでも開放感などない。
待っているのは、死と絶望だけである。
咲-BATTLE ROYALE- 開幕
前へ | キャラ追跡表 | 次へ |
合宿帰り、蒲原の車の中 | 加治木ゆみ | 第01話 |
合宿帰り、車の中 | 藤田靖子 | ハコテン |
任務、拝命 | サンフランシスコ・ザフィケル | 第10話 |
合宿帰り、蒲原の車の中 | 東横桃子 | ― |
合宿帰り、蒲原の車の中 | 蒲原智美 | 第08話 |
合宿帰り、蒲原の車の中 | 妹尾佳織 | ― |
合宿帰り、蒲原の車の中 | 津山睦月 | 第03話 |
合宿帰り、電車の中 | 宮永咲 | 第05話 |
合宿帰り、電車の中 | 原村和 | 第04話 |
合宿帰り、電車の中 | 片岡優希 | 第02話 |
合宿帰り、電車の中 | 竹井久 | 第07話 |
合宿帰り、電車の中 | 染谷まこ | 第09話 |
合宿帰り、電車の中 | 須賀京太郎 | 第04話 |
ファミレスに向かう道中 | 天江衣 | ― |
ファミレスに向かう道中 | 龍門渕透華 | 第09話 |
ファミレスに向かう道中 | 国広一 | 第02話 |
ファミレスに向かう道中 | 井上純 | 第04話 |
ファミレスに向かう道中 | 沢村智紀 | 第01話 |
透華達を送り出した後、車内 | ハギヨシ | 第06話 |
透華達を送り出した後、車内 | 杉乃歩 | ― |
合宿帰り、電車の中 | 福路美穂子 | 第14話 |
合宿帰り、電車の中 | 池田華菜 | 第09話 |
合宿帰り、電車の中 | 吉留未春 | ― |
合宿帰り、電車の中 | 文堂星夏 | 第03話 |
合宿帰り、電車の中 | 深堀純代 | ― |
合宿帰り、電車の中 | 久保貴子 | ― |
合宿帰り、電車の中 | 夢乃マホ | 第07話 |
合宿帰り、電車の中 | 室橋裕子 | ― |
自宅 | 南浦数絵 | 第08話 |
カラオケボックス | 門松葉子 | 第08話 |
カラオケボックス | 田中舞 | 第23話 |
下校中 | 上柿恵 | 第05話 |