このページについて

このページは、Skype数学勉強会「リーマン面と代数トポロジー」の2018.02.05時点のスナップショット(過去分保存用ページ)です。
最新のページはこちら


日時

日曜20:00~
隔週でリーマン面と代数トポロジーの勉強会を交互に実施しています。
(2016.10.02時点追記。ほぼ毎週、リーマン面の回が続いています。)


テキスト

リーマン面は、Forster「Lectures on Riemann surfaces」です。
代数的トポロジーは、フルトン「代数的位相幾何学入門」です。(いずれもテキスト必携ではありません。)


進捗状況

2015.12.13以降、輪講形式でForsterのテキストを読みます。
Forsterのテキストは進行上の幹として使いますが、状況次第で(むしろ積極的に)枝葉の話題に脱線します。
(2018.02.04現在で、ようやくsection4.5の例(21ページ目)に入りました。進み方はとてもゆっくりです。)

ゼミ中はSkypeのグループ通話に出入り自由です。
発表してくれる人が増えると嬉しいですが、聴講のみももちろんOKです。

参加希望の方は、twitterで@hamanobo宛につぶやくか、参加方法ページの記載に従ってSkype数学勉強会の新規参加者用ルームに入って相談してみてください。

途中からでも十分にキャッチアップできます。
お気軽にお問い合わせ下さい。

Riemann面の記録


Lectures on Riemann surfaces第1回 2015.12.13(Sun)
第一章Covering Spacesで何をやるかの概説。
実例を示し始めたところで、数値計算の誤りの指摘があってみんなで計算し直す。
その後、Section1で何をやるかの概説と、テキストには記載が無いが、多様体、ハウスドルフ空間、位相同型等々の用語の復習を行った。
https://whiteboardfox.com/48943-6012-2270

Lectures on Riemann surfaces第2回 2015.12.20(Sun)
chart、atlas、(atlasの)analytically equivalentなどの定義。
テキストでは、1.1. Definitionの終わりまで。
ゼミの中で提起された興味深い問題:
以下の性質を満たす二次元の複素多様体Xで、なるべく簡単なものを挙げよ。
1. X上のcomplex atlasは、3つ以上のchartから構成されなければいけない。
(「されなければいけない」の意味:S2はひとつの平面で覆うことはできなくて、平面が少なくとも二つ必要。これと同様に、三つ位以上の平面を使わなければ覆うことができないという意味。)
2. 上記atlasからあるふたつのchartを取った時、それぞれのchartの定義域が重ならない。
https://whiteboardfox.com/49334-5188-7527

Lectures on Riemann surfaces第3回 2015.12.27(Sun)
軽く前回の復習(chart、atlasおよびatlasの解析的同値の定義)をした後、解析的同値なatlasの例を挙げた。
しかしながら、解析的同値性を示す過程で、まだ定義および正則性を示していないS2上の回転を使っていたので、正しい証明にはなっていないことが判明した。
https://whiteboardfox.com/49722-7727-6391

Lectures on Riemann surfaces第4回 2016.01.10(Sun)
複素構造の定義をした後、S2に前回とは異なる複素構造(解析的同値ではないatlas)を構築した。
具体的には、北極と南極それぞれからの立体射影の複素共役をとり、それらが双正則になっていること、さらには通常の立体射影とは双正則にならないことを確認した。
その後、1.2 Remarksの内容を確認し、極大アトラスの定義を行った。
これで1.3まで終了。
https://whiteboardfox.com/50447-6492-2878

Lectures on Riemann surfaces第5回 2016.01.17(Sun)
前回やった、「異なるアトラス」の作り方を図を用いて再度解説。
一連の流れにおいて、複素共役をとる操作であるbarの逆操作bar_invが、実はやっぱりbarになるというところがポイント。
https://whiteboardfox.com/50916-2494-4763

Lectures on Riemann surfaces第6回 2016.01.24(Sun)
ようやくリーマン面を定義した。リーマン面とは、多様体と複素構造(=解析的同値なアトラスの同値類。アトラスそのものではなく、同値類であることに注意。)のペアのことを言う。
リーマン面の具体例として、複素平面、ドメイン、リーマン球を取り上げて確かめた。
https://whiteboardfox.com/51481-6321-3424

Lectures on Riemann surfaces第7回 2016.01.31(Sun)
リーマン面の具体例の続き。
Tori(Torusの複数形)の具体例をひとつ取り上げ、リーマン面になることを確かめた。
https://whiteboardfox.com/52011-7834-8560

Lectures on Riemann surfaces第8回 2016.02.07(Sun)
リーマン面上の正則関数を定義して、Riemannの除去可能特異点定理について議論した。
この定理は「点aの近傍で関数fが有界ならば、aを含む領域にfを正則に拡張できる」というものだが、この関数の気持ちとして「拡張できる関数の条件は、aの近傍で有界だってことだよ」と解釈すると腑に落ちる。
https://whiteboardfox.com/52580-6351-0771

Lectures on Riemann surfaces第9回 2016.02.28(Sun)
リーマン面どうしの正則写像を定義。
それがリーマン面上の正則関数の自然な拡張になっていること、リーマン面間の正則写像の合成はやはり正則写像になることを確かめた。
リーマン面どうしの正則写像が、それぞれのリーマン面上での正則関数の間での写像を引き起こすことを議論している途中で時間切れ。続きは次回。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1031081

Lectures on Riemann surfaces第10回 2016.04.24(Sun)
リーマン面どうしの正則写像fが、それぞれのリーマン面上での正則関数の間での環準同型写像f*を引き起こす件について。
f*(ψ)はψ○fと定義され、pull-back関数と呼ばれる。
そこから話が発展し、脆弱層、軟層、fine sheafの違いについて調べつつ議論した。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1048704

Lectures on Riemann surfaces第11回 2016.05.01(Sun)
前回の続き。
リーマン面どうしの正則写像fが、それぞれのリーマン面上での正則関数の間での環準同型写像f*を引き起こす件について。
f*が環準同型になっていることを確かめた。
背後に層の概念があること、さらには圏論的にはどう表現できるのかについても議論した。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1050878

Lectures on Riemann surfaces第12回 2016.05.15(Sun)
リーマン面版の「一致の定理」について。
証明の戦略としては、ふたつの写像f1とf2が一致するような開近傍を持つ点の集まりGを定義し、それが全体集合Xであることを示す。
テキストの証明の中で「f1とf2は連続なのでf1(b)=f2(b)」という記述が出てくるが、実はそのフレーズは不必要なのではないかという疑問が投げかけられた。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1055465

Lectures on Riemann surfaces第13回 2016.05.29(Sun)
圏と環付き空間について。
1.10(c)で言わんとしていることは、「リーマン面の圏から環付き空間の圏への関手が定義できたということ」という解釈の解説。
圏と層の定義を行って、以下のことを圏論の観点で見た。
X |-> (X,O_X)
f:X->Y |-> (X,O_X) -> (Y,O_Y)
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1059359

Lectures on Riemann surfaces第14回 2016.06.05(Sun)
有理型関数について。
有理型関数の定義、例(古典制御理論における伝達関数の話題)、有理型関数をP1への写像とみると正則写像になることなど。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1061205

Lectures on Riemann surfaces第15回 2016.06.19(Sun)
Exercise 1.1(a)。
R^nではない、より一般の位相空間について考察し、それをR^nに適用する形で議論を進めた。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1064936

Lectures on Riemann surfaces第16回 2016.06.26(Sun)
Exercise 1.3。
定義域側のS2の北極を含まないchartから、値域側のS2の北極を含まないchartへの関数が、一点(1,0)を除いて正則であることを確かめたところまで。
それぞれの北極を含むchartでも同様であることを確かめる必要があるが、それを行うにあたって、zに1/zを代入するやり方でよいかどうかを議論しているところで時間切れ。
次回、その議論の続きから。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1066740

Lectures on Riemann surfaces第17回 2016.07.03(Sun)
先週の続き。
式としては、zに1/zを代入した式になるが、CからCへの写像としてはzに0を代入することはご法度。
その式が有効なのは原点を除いた領域のみ。
二個目のchartにおける原点での振る舞いについては、別途ちゃんと確かめる必要がある。
Ajの定義に従って二個目のchartの原点がどこに送られるかを調べてみると、もちろんそれは、上記の式でzに形式的に0を入れた場合と同じ値になる。
他のchartや逆向きの写像についても同様に調べて、biholomorphicであることがわかる。
Ajがξ3の周りの回転である場合についても軸の入れ替えの場合と同様に調べて、biholomorphicであることが言える。
以上より、SO(3)によるS2からS2への写像はbiholomorphicである。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1068519

Lectures on Riemann surfaces第18回 2016.07.10(Sun)
Exercise 1.2。
CからCへの一次分数変換fをP1上の関数に拡張し、さらにそれをP1からP1への写像に拡張する。
fをP1上の関数に拡張したところまででは、まだ極が残っているが、定義域の極を値域の∞へ送るようにしてfをP1への写像に拡張すると、fは正則写像になる。
一次分数変換の逆写像も一次分数変換なので、一次分数変換はP1の自己同型であると言える。
上記の他、以下の二つのトピックに関しても簡単に話した。
  • A1とA2をGL(2,C)の元とし、それらの行列で定まる一次分数変換をf_A1およびf_A2とするとき、f_A2 ○ f_A1 = f_A2A1。ここで右辺のA2A1は行列の掛け算である。
  • 一次分数変換は、β/(z-α)+γとも書ける。平行移動と拡大は明らかに双正則であり、1/zも双正則であるから、以上のことからも一次分数変換が双正則であるとわかる。

Lectures on Riemann surfaces第19回 2016.07.17(Sun)
新しい方が加入されたので自己紹介。
Exercise 1.4。
テキストにはSL(2,Z)と記載されているが、これは実はGL(2,Z)ではないかという指摘あり。
なぜなら、ω1とω2を入れ替えると、行列式の値が変わるから。(-1になる。)
(さらに、より古い版のテキストにはSL(2,C)と記載されていることが判明。)
証明の内容を追ってみたところ、Γ=Γ'ということからはSL(2,Z)とまでは言えなくて、やはりGL(2,Z)が適切なようである。
なお、証明にあたっては、GL(2,Z)の元の逆行列もGL(2,Z)の元であるという事実を使うと、エレガントである。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1072542

Lectures on Riemann surfaces第20回 2016.07.24(Sun)
Exercise 1.5(a)。
  • トーラス間の写像が引き起こされること。
C上の元の取り方に依らずに写像の値が定まることを言う。図式が可換になることを使う。
  • 上記写像が正則写像であること。
α倍することは明らかに正則。示すべきことは、C/Γ'上の任意の開集合に対して、C/Γ上で開集合が取れること。
αΓ⊂Γ'なので、Γ'の格子の内部で開集合を取れば、それはαΓの格子の内部に収まることを使う。
  • 上記写像が双正則であることと、αΓ=Γ'であることが同値であること。
αΓ=Γであれば、双正則は明らか。
逆を示す。双正則である場合に、αΓ≠Γとして矛盾を導く。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1074532

Lectures on Riemann surfaces第21回 2016.09.04(Sun)
Exercise 1.5(b)(c)。
1.5(b)は、τ=ω1/ω2、α=ω2とおいて、Ex1.5(a)を適用すれば良い。
1.5(b)は、任意のトーラスが、ひとつの複素数τで表現されることを示唆している。
1.5(c)は、ある格子Γの基底τと1をSL(2,Z)の元で基底変換した後、αとして1/(cτ+d)をかけると、格子Γ'の基底1とτ'が得られることを示せば良い。Ex1.4およびEx1.5(a)より、それらの格子から作られるtorusは双正則になる。
SL(2,Z)がSとTで生成されることおよび1.5(b)と1.5(c)から、任意のtorusが複素平面CをSL(2,Z)で割った基本領域内のある複素数τで表現されることが言える。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1085855

Lectures on Riemann surfaces第22回 2016.10.02(Sun)
Section2. Elementary Properties of Holomorphic Mappings
2.1 定理(正則写像の局所的性質)
リーマン面XとYの間に非定値正則写像fが定義されているとする。
この時、chartをうまく取ってやると、chart間の関数F(z)をF(z)=z^kとすることができる。
2.2 kを多重度と呼ぶ。
2.3 例。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1092883

Lectures on Riemann surfaces第23回 2016.10.09(Sun)
Section2.4、2.5、2.6。
2.4の証明の中でz^kが開写像であるという事実を使ったが、それの証明方法を議論した。
原点以外の点の近傍では、陰関数定理から同相が言える。原点の近傍では近傍の点を極座標表示してk乗してやれば開集合であることがわかる。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1094335

Lectures on Riemann surfaces第24回 2016.10.30(Sun)
Section2.1から2.6までをざっと復習。
2.1で「一致の定理」を使っているのは、「φ^(-1)(V1)で一致していたら、X全体で一致」を言うためであることが判明。
その後、2.7と2.8を証明した。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1098660

Lectures on Riemann surfaces第25回 2016.11.13(Sun)
Section2.9。P1上の任意の有理型関数は、多項式の商の形に書ける。
証明の中で、P1のコンパクト性が使われている(極が有限個であることと、fから極を除いた関数gが定数であることの部分)。
この定理はP1に関してであるが、一般のコンパクトRiemann面の場合にも同じ定理が成り立つかどうかが課題として挙げられた。
(少なくとも今回の証明は、gが大域的に存在するかどうかが不明なので、このままでは使えない。)
その他、パラコンパクト性の定義などを話した。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1101640

Lectures on Riemann surfaces第26回 2016.11.20(Sun)
Section2.10、2.11、2.12。
Section2で学んできたリーマン面上の正則写像の性質を使って、リウヴィルの定理と代数学の基本的理を証明。
その後、二重周期関数の定義をした。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1102943

Lectures on Riemann surfaces第27回 2016.12.04(Sun)
Exercises (Section 2) 2.1(a)
Weierstrassの℘関数が二重周期関数であることの証明。
DESMOSを使って関数の動きをざっくり掴んだ後、証明を行った。
℘関数の周期分だけずらして差をとった関数を微分すると、℘′も周期関数であることから、微分がいたるところ0になる。
そのような関数は定数だが、℘関数が偶関数であることから、その定数が0であることが導かれる。
結果的に℘関数は格子点を周期とする二重周期関数である。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1102943

Lectures on Riemann surfaces第28回 2016.12.11(Sun)
Exercises (Section 2) 2.1(b)
ある二重周期関数fの原点の周りでのローラン展開が与えられており、マイナス二次の項の係数が1、マイナス一次とゼロ次の項の係数が0である時、それが実は℘関数であることの証明。
まず、℘関数をローラン展開してみて、それがfの形をしているところまでを示した。
(後は格子の形から残りの係数が定まることを示し、ローラン展開が一意であることを使えばfが実は℘であることが言えるが、それらについては次回以降。)
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1106748

Lectures on Riemann surfaces第28回 2017.01.29(Sun)
Exercises (Section 2) 2.1(b)に再挑戦。
以下の方針で進める。
  • fが偶関数であることを言う。
  • f'^2=4f^3-20c2f-28c4を言う。
  • f'''=12ff'を言う。
  • c6以降の項がc2とc4で生成されることを言う。
  • ローラン展開の一意性よりfが℘であることを言う。
最初の「fが偶関数」がうまく言えていない。
さらに、上記のような大掛かりな方法でなくても解けるのではないかと思う。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1116607

Lectures on Riemann surfaces第29回 2017.02.12(Sun)
Exercises (Section 2) 2.1(b)。三度目の正直。
以下の方針で進める。
1.fの奇数次べきの係数が0であること。
2.fが確かにペー関数であること。
発表者が一応証明を示したが、参加者で議論して以下のすっきりした形になった。
f_odd(z) = 1/2( f(z) - f(-z) )
を考えると、これは二重周期関数で、かつ複素平面全体で正則。
定理2.13よりそのような関数は定数で、かつ定義からf_odd(0)=0だから、f_oddは恒等的に0。
よってfの奇数次べきの係数は0。
次に、℘(z)-f(z)を考えると、先程と同様にして恒等的に0と言える。
よってfは℘.
Exercises (Section 2) 2.2。
f:X->Cが非定値正則なら、Re(f)は最大値に達しない。
仮にRe(f)が最大値を持つとして矛盾を導く。
fが非定値正則なら像は開集合のはずだが、Re(f)が最大となる点の周りでは開集合を取ることができない。これは矛盾。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1119242

Lectures on Riemann surfaces第30回 2017.02.26(Sun)
Exercises (Section 2) 2.3。
証明に瑕疵が見つかって、仕切り直しとなった。次回再挑戦。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1121651

Lectures on Riemann surfaces第31回 2017.03.05(Sun)
Exercises (Section 2) 2.3。(二回目)
f:C->Cが正則でその実部が上に有界なら、fは定数である。
exp(f)の絶対値を考える。fの実部が上に有界なので、exp(f)の絶対値は有界である。
よって、リウヴィルの定理より、exp(f)は定数。これをKとする。
これにより、f=LogK+2πin。
fは一価正則なので、nの値が定まる。
以上より、fは定数。
Forsterがここにこの問題を持ってきた意図には沿っていないと思うが、すっきりした証明である。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1122864

Lectures on Riemann surfaces第32回 2017.03.19(Sun)
Exercises (Section 2) 2.4。
問題:fによる正則関数φの引き戻しf*:=f○φがring monomorphismであることを示せ。
証明:単射性を示せば良い。
φ1とφ2をY上の正則関数として、f*(φ1)=f*(φ2)ならば、φ1=φ2であることを言う。
UをX上の開集合、VをUのfによる像とする。
仮定より、φ1○f|U = φ2○f|U。
これより、φ1|V = φ2|V。
fは開写像なので、一致の定理によりY上でφ1 = φ2。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1125622

Lectures on Riemann surfaces第33回 2017.03.26(Sun)
Exercises (Section 2) 2.4の続き。
先週示した図が間違っていたので訂正。
示したい事は、任意のh1とh2に対して、f*○h1 = f*○h2ならばh1=h2である。(モノ射の定義そのもの。)
もし例えばh1とh2をg1*とg2*であると考える、すなわちg1とg2によるZ上の正則関数の引き戻しと考えるのであれば、g1とg2はYからZへの写像であるべきである。
(先週の図では、ZからXへの図であるとして描いた。それは間違い。)
こう考えると、Z上の任意の正則関数ψに対して、それのg1およびg2それぞれによる引き戻しを改めてφ1およびφ2と書くことにすると、
φ1:=g1*(ψ)=ψ○g1, φ2:=g2*(ψ)=ψ○g2
なので、先週示した事(f*の単射性)に帰着される。
もっとも、圏論的な証明としては、h1とh2がg1*とg2*のような形をしていると仮定してはならない。
この問題の場合は、h1とh2を任意のRからO(Y)への写像とし、その後はO(Y)の性質だけでf*の単射性を示すことができるので、単射性を示すことがモノ射であることの証明になる。
しかし一般には、単射でなくてもモノ射である場合があるので、いつも単射性を当てにする訳にはいかない。
同様に、全射でなくてもエピ射である場合というのもある。
その反例のひとつとしてi:Z→Qが挙げられ、それが確かに反例になっていることを確かめた。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1126984

Lectures on Riemann surfaces第34回 2017.04.09(Sun)
Exercises (Section 2) 2.5。
問題:コンパクトRiemann面Xからいくつかの点を除いたものをX'とし、X'上の正則関数fを考える。
この時、fを任意の複素数値cにいくらでも近づけることができることを示せ。
方針:特異点除去定理を使ってXから除いた点についてもfの値を定義して拡張するとともに、fをP1への写像として定義しなおす。
それをf-hatとする。Xはコンパクトなので、f-hatは全射。よって任意の複素数値cにいくらでも近づけることができる。
残問題:議論の途中で、Xから除いた点pの周りでfが有界の場合とそうでない場合に場合分けした。
fが有界の場合はRiemannの除去可能特異点定理を使って特異点を埋めることができる。
一方、fが有界でない場合には、「1/f(z)が有界である」として1/f(z)に対して除去可能特異点定理を適用するつもりだったが、真性特異点の場合には1/f(z)が有界であるとは言えない。
この部分、次回に持越し。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1129805

Lectures on Riemann surfaces第35回 2017.04.16(Sun)
Exercises (Section 2) 2.5の二回目。
取り除いた点pについて、以下の三つの場合に分けると良い。
1.除去可能特異点
2.極
3.真性特異点
3の場合はカゾラーティ・ワイエルシュトラスの定理により、問題の要請を満たす。
1と2の場合は、fをP1への写像と見なすことでpを埋めることができて、fの全射性から任意のcについてf(a)=cとなるaが存在する。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1131132

Lectures on Riemann surfaces第36回 2017.05.14(Sun)
参加者が少なかったので次回以降の進め方の相談のみ。
今後もし新しいメンバーが来れば、これまでの復習をざっとやる。
いつものメンバーならば、基本群まで終わったことにしてsection3のExercisesをやる。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1136133

Lectures on Riemann surfaces第37回 2017.05.21(Sun)
新しい方が参加されたので自己紹介。
これまでのおさらいをざっくりやって、その後section3のex3.1をやった。
(a)定理3.14を使うと良い。U1は単連結だから、U1内の閉路をU1∩U2に移すことができる。
同様にU2も単連結なので、U1∩U2内の閉路をU2内に移すことができる。
U1∪U2内の任意の二つの閉路がfree homotopicなので、定理3.14からU1∪U2は単連結。
(b)S^2からある1点を除いたものをU1、別の1点を除いたものをU2とする。
ex1.1よりU1とU2はそれぞれR^nと同相なので、弧状連結、連結かつ単連結である。
ex3.1(a)よりU1∪U2は単連結。S=U1∪U2なので、Sは単連結。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1137222

Lectures on Riemann surfaces第38回 2017.06.04(Sun)
0.オリエンテーション(新しい方が参加されたので自己紹介。)
1.連続性の要件について再考察
2.DESMOSによるホモトピーのモデル
3.S^nの単連結性がn=1で成立しない理由
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1139295

Lectures on Riemann surfaces第39回 2017.06.25(Sun)
0.オリエンテーション(新しい方が参加されたので自己紹介。)
1.Ex.3.2の証明。π1( X x Y ) = π1( X ) x π1( Y )
2.DESMOSによる直積空間でのホモトピーのモデル
左辺から右辺への写像φを定義して、それが準同型で全単射であることを示した。
https://idroo.com/board-fFBIHDtiWX

Lectures on Riemann surfaces第40回 2017.07.02(Sun)
DESMOSによる直積空間でのホモトピーのモデル(改良版)と信号の変調方式について。
https://idroo.com/board-mi51Ab1bkk

Lectures on Riemann surfaces第41回 2017.07.23(Sun)
Ex.3.3。その前提として写像のホモトピーとFunctorial Behavior(3.15)に触れた後、証明を行った。
ゼミの途中でIDrooが不安定になり回線落ちする人が出たので、急遽Whiteboard foxに切り替えた。
https://idroo.com/board-EPVruL9PJw
https://whiteboardfox.com/110243-9361-0304

Lectures on Riemann surfaces第42回 2017.09.03(Sun)
今回からsection4(被覆空間)に入る。
新しい節に入るにあたって、Chapter1全体におけるこれまでの振り返りと今後の展望についてざっと説明。
その後、Section 4.1の定義と4.2の定理まで修了。
ゼミの途中でSkypeのセッションが突然切れて、再接続した。
https://idroo.com/board-HplWhnPd2W

Lectures on Riemann surfaces第43回 2017.09.17(Sun)
Section4全体の流れについてざっと確認した後、domainの定義(4.2の続き)から4.4の定理の証明まで終了。
ゼミの途中でidrooおよびSkypeのコネクションが突然切れて再接続した。
https://idroo.com/board-IeJ4aMkUzN

Lectures on Riemann surfaces第44回 2017.12.03(Sun)
前回からしばらく間が空いてしまったので、Section4の最初の用語の定義を再確認。
ここでのdomainという用語が、通常の意味のドメインとどう違うのかについて議論。
時間切れになり次回に持ち越し。
https://idroo.com/board-4jGR0glMFs

Lectures on Riemann surfaces第45回 2018.01.21(Sun)
定例4.2のすぐ後で再定義されたdomainという用語が、これまでのdomainとどう違うのかについての解説。
いずれも「定義域」を意識している。例えば解析接続によって関数の多価性が出てきてしまう時、これまでのdomainに替えて被覆空間を導入してそれを新たな定義域と考えると、関数の多価性を無くすることができる。
この意味で、再定義されたdomainは、これまでのdomainの拡張になっている。
https://idroo.com/board-kDTWNzwLfv

Lectures on Riemann surfaces第46回 2018.02.04(Sun)
新しい方が参加されたので自己紹介していただく。
4.5の例。分岐のある写像とない写像の例を、それぞれ二例ずつ示した。
https://idroo.com/board-ttiAtYunCR


代数トポロジーの記録


代数トポロジー第2回 2014.12.21(Sun)
http://whiteboardfox.com/27245-6840-5123

代数トポロジー第3回 2015.01.11(Sun)
http://whiteboardfox.com/28070-2236-7076

代数トポロジー第4回 2015.02.01(Sun)
http://whiteboardfox.com/28868-0491-8992

代数トポロジー第5回 2015.02.15(Sun)
http://whiteboardfox.com/30503-6123-0624

代数トポロジー第6回 2015.03.01(Sun)
http://whiteboardfox.com/31595-2088-1001

代数トポロジー第7回 2015.03.15(Sun)
http://whiteboardfox.com/32565-5953-0846

代数トポロジー第8回 2015.05.17(Sun)
https://whiteboardfox.com/36736-4459-3280

代数トポロジー第9回 2015.06.07(Sun)
https://whiteboardfox.com/37962-5580-2366

代数トポロジー第10回 2015.10.04(Sun)
https://whiteboardfox.com/44407-6148-0748


基本群とその周辺の話題の記録


第1回 2015.05.03(Sun)
被覆空間と被覆写像を定義し、その例をいくつか提示。
被覆写像の間の射とその同型を定義した。
https://whiteboardfox.com/34102-1342-7930

第2回 2015.05.10(Sun)
リフトの定義をし、任意の一点をどこに写すかによってリフトが一意に決まることを証明。
さらに、閉区間のリフトが一意に存在することを証明。
https://whiteboardfox.com/36344-8206-9120

第3回 2015.05.31(Sun)
Homotopyのlift。
最初、端点を固定せずに、liftが存在することを証明。
次に、端点を固定した場合には、liftの端点もお行儀よく揃うことを証明。
https://whiteboardfox.com/37162-1845-5725

第4回 2015.06.07(Sun)
前回の補足。
命題:連結である[0,1]x[0,1]を非連結であるYにliftすることができるか。
答え:やっぱりできない。
YとXに密着位相を入れるとできそうに思えたが、それはpが単なる連続写像の場合。
今はpは被覆写像なので、Y全体とX全体は同相にならない。よって、やっぱりできない。
https://whiteboardfox.com/37944-9381-3663

第5回 2015.06.14(Sun)
G-被覆を説明するための準備として、商写像について解説。
その後、G-被覆を定義して、事例としてRからR/Zへの写像を取り上げた。
https://whiteboardfox.com/38363-3863-1778

第6回 2015.06.21(Sun)
群Gの位相空間Yへの作用が「平等(evenly)」である場合、Y→Y/Gがcoveringになることを証明。
切りが良いので時間的にはちょっと早いけど発表を切り上げ、その後楽しい雑談。
高校数学と大学の数学とのギャップについて等など。
https://whiteboardfox.com/38688-6740-6978

第7回 2015.06.28(Sun)
被覆変換Aut(Y/X)を考える。それは群になる。
G-被覆のGは、Aut(Y/X)に埋め込まれる。
Y/Aut(Y/X)からXへの写像は被覆写像になる。
その被覆写像が同型である時、その被覆をGalois被覆と呼ぶ。
x∈XのファイバーにAut(Y/X)が推移的に作用することと、p:Y→XがGalois被覆であることは同値である。
https://whiteboardfox.com/39068-5121-5189

第8回 2015.07.05(Sun)
被覆空間とGalois理論の関係。
L/KをGalois拡大とする時、次の対応関係がある。
体 ⇔ 群
L ⇔ 1
M ⇔ Gal(L/M)
K ⇔ Gal(L/K)
被覆空間にも、同様の対応関係がある。
位相空間 ⇔ 群
Y ⇔ 1
Z ⇔ Aut(Y/Z)
X ⇔ Aut(Y/X)
https://whiteboardfox.com/39436-7947-2337

第9回 2015.07.19(Sun)
基本群の定義。
まずpathとそれに対する演算を定義。
次に端点が固定されている前提の下で、ホモトピー(pathの同値関係)を考えた。
最後に、始点と終点が一致しているpath、すなわちループを考え、それのホモトピーが群になることを述べた。
https://whiteboardfox.com/40113-6601-4341

第10回 2015.07.26(Sun)
被覆空間のおさらい会の第1回。
新しく参加された方が三名いらっしゃったので自己紹介。
被覆空間の定義の後、その実例としてCがC/Γ(ここでΓは格子点集合。C/Γは、これは実はトーラス)の被覆空間になっていることを示した。
途中、C/Γの性質(連結、ハウスドルフ、コンパクト)についても言及。
さらに、ハウスドルフ空間の商空間は一般的にはハウスドルフ空間ではないこと、写像による像と原像と部分集合の関係、距離空間の復習などにも話が及んだ。
https://whiteboardfox.com/40153-8451-8621

第11回 2015.08.09(Sun)
被覆空間のおさらい会の第2回。
被覆空間やRiemann面に関係する位相空間について。
距離空間、ハウスドルフ空間、局所コンパクト空間、ハウスドルフでかつ局所コンパクトである空間を取り上げ、それぞれの空間の性質について例を使って調べた。
連続写像によって、領域がどう送られるか、その感覚を掴むことが重要。
閉区間[0,1]からS1への写像は、良い事例のひとつ。
これは全射閉写像だが、開写像ではない。
https://whiteboardfox.com/41208-0840-4894

第12回 2015.08.16(Sun)
被覆空間のおさらい会の第3回。
被覆空間の実例として、sin( z )をとりあげた。
まず、実関数としての三角関数の各種公式が一致の定理により複素数にそのまま拡張できることを示した。
次に、複素数に拡張されたsinの加法定理を使って複素数版のsinを導出した。
導出した式を使って複素数版のsinが同じ値になる条件を見出し、分岐点を除くとsin( z )が被服写像になっていることを確かめた。
https://whiteboardfox.com/41504-9659-2365

第13回 2015.08.23(Sun)
被覆空間のおさらい会の第4回。
pathとhomotopyのliftについて復習した後、liftの実例としてForsterのテキストのExercises 4.1を取り上げた。
二つの円を一点でくっつけたpathは、どっちの円を先に回るかによって、異なるpathとなる。
(つまり、基本群は可換な群ではない。)
この証明に、liftの一意性を使う。
二つの円の接点を始点として、もし二つのpathが同じ経路だとすれば、liftの終点は同じ点になるはずである。
ところが実際にやってみればわかるが、そうはならない。
ということは、二つのpathは異なる経路である。
よって、二つの円を一点でくっつけたpathは、どっちの円を先に回るかによって、異なるpathとなる。
https://whiteboardfox.com/41844-4618-3638

第14回 2015.08.30(Sun)
被覆空間のおさらい会の第5回。
Deck変換群とGalois被覆の復習。
被覆がGalois被覆になるための必要十分条件はDeck変換群が各ファイバーに推移的に作用することである。
Galois被覆を考えるとき各位相空間に対してp:Y(連結)→X(局所連結)という仮定を置く。
その理由は次の通りである。
Yの連結性:Aut(Y/X)のYへの作用が平等になり自然な射影Y→Y/Aut(Y/X)が被覆写像になる。
Xの局所連結性:誘導される写像Y/Aut(Y/X)→Xが被覆写像になる。
https://whiteboardfox.com/42252-4212-0799

第15回 2015.09.20(Sun)
被覆空間のおさらい会の第6回。
ガロア被覆の実例としてsin(z)を取り上げ、sin(z)のファイバーがどのような様相を呈しているかを調べた。
https://whiteboardfox.com/43623-1499-0421
被覆空間のおさらい会は、今回で終了。
次回からは、基本群の話をします。

第16回 2015.09.27(Sun)
基本群について発表するシリーズの第一回。
Pathとその演算を定義し、それらのホモトピーを定義。
さらに、始点と終点が一致しているpathの同値類を基本群として定義した。
例として単位円盤の基本群を調べ、それが唯一の元からなることを確かめた。
この例のように、位相空間の基本群が自明な群になるとき、その位相空間は単連結であると言う。
https://whiteboardfox.com/44017-0717-9862

第17回 2015.10.18(Sun)
基本群について発表するシリーズの第二回。
多様体XからYへの連続写像fがあったとき、y=f(x)であるとする。
このとき、π1(X,x)からπ1(Y,y)への写像f*が群準同型になる。
https://whiteboardfox.com/45373-2752-1878

第18回 2015.10.25(Sun)
基本群について発表するシリーズの第三回。
基本群が直積を保つ関手であることをトーラスを例にとって確かめた。
まず、S1の基本群がZと同型であることを証明。
(回転数Wがwell-definedであること、S1の基本群とZが群準同型であること、全射性および単射性をそれぞれ証明。)
次に、トーラスT=S1xS1の基本群がZ+Zになることを述べ、それが可換群になることを展開図で確かめた。
なお、トーラスの基本群は可換群になるが、基本群は一般的には可換群ではない。
(反例は二つの円を一点でくっつけたもの。)
https://whiteboardfox.com/45828-6277-5574

第19回 2015.11.01(Sun)
基本群について発表するシリーズの第四回。
写像のホモトピーを定義し、それの性質を調べた。
特に、そのホモトピーによって始点が同じ点に送られる場合には、写像による基本群の間の関係が同じ群準同型となる。
次に、retractとdeformation retractを定義した。
YがXのdeformation retractである場合、yを固定すると、Xでの基本群とYでの基本群は群同型になる。
https://whiteboardfox.com/46249-4959-7206

第20回 2015.11.08(Sun)
基本群について発表するシリーズの第五回。
Van Kampenの定理への布石として、正規部分群について簡単に復習した後に、群の自由積と融合積についての定義をしました。
https://whiteboardfox.com/46667-1498-5083

第21回 2015.11.15(Sun)
基本群について発表するシリーズの第六回。
群の融合積の例。Z3*_{Z6}Z2={e}自明な群となる。
この例は一般化はできるか?
融合積の普遍性(証明未)。
群の部分集合が生成する正規部分群について議論しました。
https://whiteboardfox.com/46751-3108-1102

第22回 2015.11.22(Sun)
基本群について発表するシリーズの第七回。
融合積の普遍性の証明。
「普遍性」とは何か、他の例を挙げながら理解を深めました。
問.随伴関手の例を挙げよ。
https://whiteboardfox.com/47303-5804-3913

第23回 2015.11.29(Sun)
基本群について発表するシリーズの第八回。
融合積の続き。
KからGおよびHへの射がそれぞれ自明な群準同型になっている場合には、 GとHの融合積は、GとHの自由積と同型になる。
ここから話が圏論の始対象、終対象、零対象に及んだ。
最後にVan Kampenの定理を示した。
実例は次回。
https://whiteboardfox.com/47929-1602-8500

第24回 2015.12.06(Sun)
基本群について発表するシリーズの第九回。
Van Kampenの定理を図を用いて解説した後、二つのS1を1点で接続したbouquetと呼ばれる図形について定理を適用してその基本群を計算した。
https://whiteboardfox.com/48245-0058-0797

基本群について発表するシリーズは、今回で終了。
次回からは、Forsterのテキストを使って進めます。


トピック雑談


第1回 2015.07.12(Sun)
うまくいっている組織とそうではない組織、層と前層。
一般論として、組織の作り方を二種類紹介。
ライン制の組織のうち、うまくいっている組織は層っぽくて、そうでない組織は前層っぽいというイメージを話しました。
(あまりうまくお話しできませんでしたが、Forsterのテキストの6.4Example(d)が、課員それぞれが意固地になっていて仕事がつながっていない場合を想起させる、、、ということに後で気が付きました。)
https://whiteboardfox.com/39784-4085-4540

第2回 2015.09.06(Sun)
無限に長い直線上を流れる電流が作る磁場を例として取り上げ、そのベクトル場を調べました。
原点からの距離に反比例する大きさを持ち、反時計方向に回転しているようなベクトル場です。
平面全体を考えるとこのベクトル場は反時計方向に回転しているように思えますが、局所的には原点を除くあらゆる点でrotは0です。divも0です。
今日は深く触れませんでしたが、このベクトル場は曲線の回転数と関係があります。
https://whiteboardfox.com/42780-6231-6654

第3回 2015.09.13(Sun)
湧き出しなし、渦なしのベクトル場には、対応する正則関数があります。
前回調べたベクトル場に相当する正則関数が1/zであることを確かめました。
球面の立体射影が、その関数の幾何学的モデルになっていることを確かめました。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=978597
https://whiteboardfox.com/43224-3016-1080

第4回 2015.10.11(Sun)
湧き出しなし、渦なしのベクトル場に対応する正則関数を積分して複素速度ポテンシャルを作りました。
それの実部および虚部を偏微分して、ベクトル場の成分になることを確かめました。
最後に、微分形式との関係について話しました。
https://whiteboardfox.com/44920-0292-6589

第5回 2016.01.03(Sun)
ドゥッチ数列について。
ドゥッチ数列の実例から話を初めて、2^m角形のドゥッチ数列のうち2^m回の操作で計算が終了(全ての数が0)するものの総数をNとした時に、mを無限大に近づける時のlog2(N)/(2^m)の極限が1未満になるのではないかという予想の紹介まで。
「面白かった」と好評でした。
https://whiteboardfox.com/49983-5098-9534

第6回 2016.02.14(Sun)
複素関数論概説(その1)
リーマン面を学ぶ上で基礎となる複素関数について、正則関数、解析関数、ローラン級数の観点から概要を学ぶ。
今回は正則関数の途中まで。
https://whiteboardfox.com/53026-6823-9121
共通課題「∮1/zdz=2πiになることの幾何学的な意味を与えよ。」

第7回 2016.02.21(Sun)
複素関数論概説(その2)
前回の共通課題の解答例を解説。
z=x+iyとすると、dz=dx+idy。
f(z)=u(x,y)+iv(x,y)としてf(z)dzを計算して、f(z) = (udx-vdy) + i(vdx+udy)を得る。
これは形式的にf(z)=(u, -v)(dx,dy)^t+i(v,u)(dx,dy)^tと書ける。
f(z)=1/zだとすると、(u,-v)は原点を中心として放射状のベクトル場、(v,u)は原点を中心として反時計回りのベクトル場。
(dx,dy)は円周に沿った方向なので、前者とは直交していて内積は0。なので積分値も0。
後者は(dx, dy)と常に同じ方向を向いていて、単位円上一周すると積分値は2π。
これらを合わせて、∮1/zdz=2πiを得る。
http://chat.pixiv.net/room.php?id=1028727&type=painter

第8回 2016.03.06(Sun)
複素関数論概説(その3)
複素正則関数の主要な性質とべき級数についての解説。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1033230
宿題:収束半径1のべき級数で、任意の複素数cに対して、半径1の円周上のある点z_cにおいて
Σa_n*z_c^n=cとなるようなべき級数はあるか?

第9回 2016.03.13(Sun)
複素関数論概説(その4)
べき級数ならびにローラン級数について。
一致の定理、解析接続、孤立特異点の分類などについて解説。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1035503

第10回 2016.03.27(Sun)
複素関数論概説(その5)
これまでの複素関数の話をもとに、リーマン面の定義とリーマン面間の写像について解説。
リーマン面間の正則写像fの前提として、そのfが連続であることの前提が必要かどうか議論になった。
結論は「必要」。
f(U1)⊂U2という条件のために必要になる。
https://whiteboardfox.com/55062-9849-2440

第11回 2016.04.03(Sun)
複素関数論概説(その6)
先週のゼミの内容から発展して、以下の二つの話題を議論。
1. 多様体間の可微分写像の定義には合致するけど連続写像になっていない例
そのような例は作れない。やっぱりどこかうまく行かなくなる、、、と思ったが、chartをうまく取るとそうでもないのでは?
残課題:chartをうまく取ると反例が作れるような気がする。継続検討。
2. 非孤立特異点について
特異点が稠密に存在する例を作った。
残課題:f(z)=1+z/1^2+z^2/2^2+z^3/3^2+...の特異点はどこか。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1042564

第12回 2016.04.10(Sun)
複素関数論概説(その7)
先週の二つの話題のうち、前者の続き。
多様体間の可微分写像の定義には合致するけど連続写像になっていない例は作れるか。
議論していくうちに、極大アトラスを前提とするか、そうでなければ写像の連続性を前提とする必要がありそうということがわかってきた。
さらに他のテキストも調べてみたところ、多様体間の可微分写像の定義が著者によって微妙に異なっていることが判明。
妙なことが起きる場合を排除するためには、かなり注意深く定義する必要がある。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1044840

第13回 2016.04.17(Sun)
複素関数論概説(その8)
楕円関数の話に入る前の導入として、レムニスケートの弧長について。
円の場合との比較をしつつ、計算を示した。
円の場合は有理式になるが、レムニスケートの場合は有理化できない。
根号を含む式の積分になる。
一見複雑な式だが、上手に変数変換を行うと円の場合の倍角公式に似た結果を得ることが示された。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1046726

第14回 2016.07.31(Sun)
一次分数変換について。
以前、Exercise1.2で一次分数変換がP1からP1への双正則写像になることを示した。
その逆が成り立つことを証明する。
つまり、P1からP1への双正則写像が一次分数変換になることを示す。
証明は、概略以下の流れ。
1. fがP1上で有理型関数になることを示す。
2. P1上の有理型関数が、有理関数であることを示す。
3. 上記よりfは有理関数。fは単射なので、極と零点がそれぞれひとつ。よってfは一次分数変換。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1076313

第15回 2016.08.21(Sun)
保型形式について。
  • 保型形式を考える動機
  • SL2(Z)の上半平面Hへの作用と基本領域について
  • SL2(Z)がSとTで生成されることについて
  • 保型形式の定義と保型形式の性質
  • Eisenstein級数とその性質
  • fの零点の位数に関する定理

第16回 2016.08.28(Sun)
Skyrmionについて(導入編)。
本題に入る前に、物理で使う数学について準備をする。
  • ラグランジアンとハミルトニアン
  • ポアソンブラケット
  • 正準量子化

第17回 2016.09.11(Sun)
Laplace変換について。
定義、実例、Fourier変換との関係、伝達関数と系の安定性。
今後Forsterのテキストを読み進める際に関連トピックとして参考になるかも。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1087648

第18回 2016.09.18(Sun)
Skyrmionについて(本編)。
2016.08.28の続き。
量子力学では、ラグランジアンは複素関数になる。(このラグランジアンはU(1)対称性を持っている。)
色量子力学のラグランジアンは、解くのが大変難しい。(非線形の項が出てくるから。)
そこで、クォークの種類をuとdの二種類に制限するなど、いくつかの簡略化を行う。(Effective modelを作る。)
それがSkyrm model。
実は歴史的には、Skyrm modelがπ中間子の理論として先に作られていて、それが色量子力学のEffective modelになることが後からわかった。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1089273

第19回 2017.01.08(Sun)
局所閉集合について。
まず相対位相を定義した後、それを用いて局所閉集合を定義した。
最後に、Sが局所閉集合であることと、Sが全体集合の部分閉集合と部分開集合の積集合で表せることが同値になることの証明を行った。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1112454

第20回 2017.01.22(Sun)
ランチェスターの第二法則について。
X軍とY軍が戦う時、単位ユニットあたりの火力が同等であれば、軍勢の数が多い方が「圧倒的に」有利になる。
その理由について、一階の連立微分方程式をたててそれを解くことで説明した。
その後議論が発展し、微分方程式の解き方としてもう一度微分して二回の微分方程式にする手法ではなく行列表現を用いることで一階の微分方程式のままで解くことができること、指数の行列べき、さらには行列を対角化することでより見通しをよくすることなどに話が及んだ。
https://whiteboardfox.com/83410-1444-4734

第21回 2017.03.12(Sun)
Riemann-Rochの定理について。
閉リーマン面の分類を考えるにあたって、双正則な変形を同一視する観点では、種数gでは不十分である。
X上の双正則な変形での不変量は、層のコホモロジーと呼ばれる。
オイラーポアンカレ標数という不変量は解析的に計算できるが、位相的にも計算することができる。
これがRiemann-Rochの定理が意味するところである。
オリジナルのRiemann-Rochの定理は閉リーマン面に関するものであったが、代数曲線や代数多様体に関するものへの拡張が次々になされた。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=1124189

第22回 2017.12.31(Sun)
ガンマ関数とベータ関数
B(x, y) = Γ(x)Γ(y)/Γ(x+y)の証明。
https://clono.jp/pub/share/3230/9bbb62616d765f7b3adb21146ab676901ebe5d5fdf5a3d181bea6d06777459f0


Riemann面おさらい会の記録


第1回 2014.10.05(Sun)
(黒板の左側中央付近に二箇所「南極」と書いてあるのは「北極」の誤りです。訂正します。)
宿題1:二次元球面の北極と南極それぞれから複素平面への立体射影を考えた時、それらの射影の結果がz->1/zで互いに写り合うことを確かめる。
宿題2:Riemann面の導入としてliftの考えを使わずに、「多価関数を一価関数にするべく定義域を拡張する」ことを動機としている文献あるいはWebの記事を探す。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=844627

第2回 2014.10.12(Sun)
主に前回の宿題1の解説をやりました。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=847333

第3回 2014.10.19(Sun)
新しい方が参加されたので、先を急がずにゆっくりやることに。
前々回の宿題1の解説を再度簡単に説明した後で、複数のchartで多様体の地図を作ることの意味を再確認しました。
もとの多様体上で、二つのchartの定義域に重なりがあることがミソです。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=851059

第4回 2014.10.26(Sun)
前回のゼミの内容について、「多価関数の実例は?」という質問があったので、それに回答。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=854843
参加者のタイミングが合わず、ホワイトボードの記載のみで各自自習。

第5回 2014.11.02(Sun)
多価関数の実例としてz^2の逆写像を示し、多重度についてちょっとだけ言及。
その後、被覆空間の定義を示し、z^2がcovering mapの実例になっていることを話した。
http://chat.pixiv.net/roomtop.php?id=856184

第6回 2014.11.09(Sun)
持ち上げ(lift)の定義をして、その実例を示した。
x=p(y)=y^2について、ZのそれぞれのシートをXに潰す写像fの持ち上げが、二葉のリーマン面ZからYへの二乗根になることをざっくり説明。
この回から新しい試みとして、ホワイトボードとしてwhiteboard foxを使ってみることにした。
http://whiteboardfox.com/24975-0616-0279

第7回 2014.11.16(Sun)
経路とホモトピーと基本群の話をしました。
スイカに紐をかけて持ち運ぶのが難しいのは、とっかかりになる穴がないから。穴のあるドーナツなら簡単です。
長方形をどう畳むとそれぞれ球面とドーナツにできるのかを示し、その畳み方が基本群に関係していることを話しました。
http://whiteboardfox.com/25311-5787-1636

第8回 2014.11.25(Mon)
おさらい会のおさらい。
第1回から第7回までの話をぎゅ〜っと一時間にまとめて話しました。
写像の具体例としてべき関数を使います。
その逆写像を考えると多価関数になってしまって扱いが面倒なので、なんとかして一価にしたい。これがリーマン面を考える動機。
多価性解消のために、多葉のリーマン面を導入します。リフトの存在定理を使ってリーマン面上のべき根関数を作り、多価性を解消しました。
その後、今回新規に参加なさった方から、多価性が生じる原因が周期性であること、普遍性が圏論の考え方に基づくことなどの解説をしていただきました。
http://whiteboardfox.com/25808-2713-2013

第9回 2014.11.30(Sun)
「最大の」被覆空間として普遍被覆空間を定義し、それが単連結であることを話しました。
実例として、トーラスを一段ほどいた被覆空間を作り、さらにもう一段ほどいて複素平面にすると、それは単連結なので普遍被覆空間になるという事例を示しました。
途中、被覆空間を定義するための連続写像の話から距離空間のことに話が及びました。
位相空間に内積を導入するとノルムと距離が定義でき、そうすると角度が定義できます。しかし、逆は常に真ではありません。
距離が定義できても、内積が定義できるとは限りません。一般の位相空間は、そもそもベクトル空間ですらないからです。
この辺りで時間切れになったので、当初予定していたリーマン面の分類ならびに幾何化予想は次回に先送りとしました。
http://whiteboardfox.com/26212-8728-5256

第10回 2014.12.07(Sun)
普遍被覆の話の続き。
その後、特性類の話をした後でリーマン面の分類について触れる予定でしたが、
参加者のタイミングが合わず、ホワイトボードの記載のみで各自自習。
http://whiteboardfox.com/26506-1730-6282

第11回 2014.12.14(Sun)
普遍被覆の話の続き。事例としてトーラスを切り開いて複素平面にすることで普遍被覆を作りました。
途中、多様体とは異なるorbifoldと呼ばれる図形の事にも話が及びました。
普遍被覆の存在条件が途中の被覆のつくり方ではなく、底空間の性質だけに依存することが説明されたところまでで終了。
その後、今後のゼミの進め方について議論しました。
次回からは、リーマン面のゼミは現在のゆる〜い調子を保ったまま隔週で行います。
残りの週は、フルトンをテキストにして、代数的トポロジーの勉強会をやろうということになりました。
http://whiteboardfox.com/26506-1730-6282

第12回 2015.01.04(Sun)
球面上のベクトル場とトーラス上のベクトル場の違いについて。
球面上のベクトル場では、流れが停滞する点が必ず二個できてしまう。
一方、トーラス上のベクトル場では、流れが停滞する点を作らないようにすることができる。
以下の三点については明らかにならず、宿題となりました。
1. リーマン面上のベクトル場の「正則」の正確な定義
2. トーラス上にあえてつむじを作るとすると、どんなつむじになるか。
3. トーラスの種数を増やした時にも、つむじなしにできるのか。
http://whiteboardfox.com/27710-1694-1410

第13回 2015.01.18(Sun)
先週の宿題の解答から開始。
宿題その1:正則なベクトル場の定義。
解答その1:例えば小平邦彦「複素多様体論」p77を参照。

オペレータのように見える記号∂/∂zは、単なるベクトルの基底だと思えば良い。
もちろん、このような記号を使うのには意味があって、局所座標系の間の変換(局所座標系の貼りあわせ)を考えると、
その操作が偏微分と同じになるから。
また、オペレータという意味では、例えばポテンシャルを与えるスカラー関数に対してp77の定義をオペレータとみなして作用させてベクトル場を作り出すということもできる。

さて、もともとの課題意識は、正則ベクトル場と可微分ベクトル場の違いだった。

正則 = べき級数展開できる
可微分 = 微分できる

微分可能だが、べき級数展開できない関数がある。
例: f(x) = exp( -1 / x^2 ) where x>0, 0 where x<=0
なので、可微分だからと言って、常に正則だとは限らない。

別の言葉で言うと、正則とは微分構造を入れるということ。
実2次元空間をCとみなしたときには、可微分ベクトル場にコーシーリーマンの条件を加えると正則ベクトル場になる。
しかし、次元を増やしていった場合には、常に微分構造を入れられるとは限らない。
(例:S6に複素構造が入るかどうかは、未解決問題。S.S.チャーン「複素多様体講義」)

正則なベクトル場は、可微分ベクトル場よりもずっと条件が厳しい。

「つむじの話」をするには、(複素n次元の)正則なベクトル場でなくても(そうであってはいけない訳ではないが)、(実2n次元の)可微分ベクトル場であってかつポテンシャルが調和形式を満たすものを考えれば良さそうだ。
#要確認

ところで、「つむじ」とは何だろう。
指数が0でない点をつむじ(特異点)として定義するならば、指数が0なら必ずrot=0かつdiv=0になるのか?

宿題:
1. f(z) = z^2について、指数並びにrotとdivを計算せよ。
(それぞれ、0になっているか?)
2. 一般に、指数が0なら必ずrot=0かつdiv=0と言えるのか。
3. 上の「要確認」の件。差がある例を具体的に構成せよ。また、そのような例はn=1の場合にも可能か。


第14回 2015.02.08(Sun)
「つむじ(孤立特異点)」を、ベクトル場においてゼロベクトルが割り当てられている点で、かつ孤立している点と再定義しました。
ベクトル場の実例をいくつか挙げて、湧き出し量(div)と回転量(rot)を実際に計算してみました。
最後に指数の定義をしました。
次回以降で、指数とつむじの関係(ポアンカレ・ホップの定理)を述べる予定です。
http://whiteboardfox.com/30032-8583-8782

第15回 2015.02.22(Sun)
まず、このおさらい会と同じ時間帯(日曜日の20時)に隔週でやっている代トポのセミナーで話題になっていた件について、課題が何であるかを再確認しました。
(一般的に、B=dAの時にはいつもdB=ddA=0だが、dB=0の時にいつもB=dAと書けるとは限らない。これがR2上の任意の開集合上ではどうか。特に、div(rotA)=0の時にいつもB=rotAと書けるかどうか。)
その後、ベクトル場における指数(回転数)を定義し、ポアンカレ・ホップの定理を説明しました。
これを使うと、第12回の宿題のひとつであった「トーラスの種数を増やした時にも、つむじなしにできるのか。」の答えが「できない」であることがわかります。
http://whiteboardfox.com/31160-9765-6650

第16回 2015.03.01(Sun)
ベクトル場の話は前回で一段落したので、Riemann面の話に戻りました。
被覆空間と普遍被覆についておさらいしました。
実例として、写像x=p(y)=y^2に対応する普遍被覆としてふたつの複素平面を貼りあわせた二葉のRiemann面を導入し、Liftの存在定理を用いてy=p^(-1)(z)に相当する一価関数f-hatを構成しました。
次に、Riemann面の分類方法(のひとつ)として穴の数(種数)で分類する方法を紹介しました。
種数によってRiemann面の大域的な様相が決まり、それによってRiemann面上の流れ(これは勾配ベクトル場に相当する)も制約を受けます。
ベクトル場にも「コーシーリーマンの関係」があり、それは正則関数と調和形式を介して緩やかにつながっています。
その実例を次回に示す予定です。
http://whiteboardfox.com/32167-3891-9084

第17回 2015.03.22(Sun)
Riemann面上の流れ(勾配ベクトル場に相当)との話のつながりで、ベクトル場と複素ポテンシャルについて話しました。
最初に複素ポテンシャルとして正則関数を持ってきてそこからベクトル場を作り、ベクトル場が渦なし湧き出しなしであることがコーシーリーマンの関係と等価であること示しました。また、その場合に複素ポテンシャルの実および虚のそれぞれの成分が調和形式を満たすことを示しました。
(講義の後で思ったのですが、話の流れとして最初にベクトル場を提示して、そこから複素ポテンシャルを構成した方がわかりやすかったかもしれません。)
https://whiteboardfox.com/33046-5069-8162

第18回 2015.03.22(Sun)
新しい方が参加されたので、例によって各自自己紹介。
その後、局所的な関数をつないで大域的な関数を作り出す解析接続の概念についてざっくり説明。
前層と層を定義し、germとstalkについて話しました。
前層を層にするための二つの条件が、それぞれ正則関数で言うところの一致の定理と解析接続に相当するのかどうかの議論をしているところで時間切れとなりました。
https://whiteboardfox.com/34119-0419-9968

第19回 2015.04.26(Sun)
前層のおさらいと、前層を層にするためのふたつの条件(既約性条件と閉条件)について。
これらふたつの条件は、関数の性質の一般化。
閉条件と解析接続は似ているけれど、ちょっと違う。
前者は既に局所的な関数が与えられていて、それらをつないでいくイメージ。後者は局所的な関数を伸ばしていくイメージ。
一連の議論をする中で、stalkとgermにも言及。
正則関数ではstalkは元をひとつしか含まないけれども(一致の定理による)、一般にはstalkは複数の元を含む。
https://whiteboardfox.com/34554-3960-2548

おさらい会は、第19回で一旦終了。
次回からは、輪講形式でForsterのテキストを読みます。ー>代数トポロジーとも共通するので、特に基本群について取り上げて話をすることになりました。「基本群とその周辺」に続きます。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2018年02月06日 00:05