算額 現代語訳
題文 今有如図 鉤股弦之内容小円径与中円径及大円半径
只云者鉤五百八十八寸股二千令一十六寸弦二千一百寸
問大中小各円径幾何
図のように、直角三角形の中に小円と中円と大半円がある。
条件1 直角三角形の辺の長さは、(短い順に)鉤588寸、股2016寸、弦2100寸である。
問題 大円の半径並びに中円及び小円の直径を求めよ。
答文 答曰
大円半径 三百四十三寸
中円径 五百令四寸
小円径 一百二十六寸
答え
大円半径 343寸
中円直径 504寸
小円直径 126寸
術文 術曰
列鉤加入股得数内減弦余得中円径数
折半之名甲
列股内減甲余以鉤相乗之名乙
自乗之名丙
列弦以乙相乗之倍之名丁
列中円径以鉤冪相乗之加入丁名戊
折半之名己
自乗之名庚
列弦冪内減鉤冪余名辛
以丙相乗之得数以之減庚余除平方見商数以之減己余以辛除之得商大半円径数
列甲自乗之名子
列鉤内減甲余名丑
自乗之名寅
列子加入寅得数除平方見商数名卯
内減甲余名辰
以甲相乗之得数以丑除見商数名巳
列辰以卯相乗之得数以丑除之見商数名午
列辰以巳相乗之倍之為實列巳加入午得数為方除實得商小円径数
合問
解き方
鉤+股-弦=中円の直径 ・・・Ans.1
中円の直径÷2=甲とする。
(股-甲)×鉤=乙とする。
乙^2=丙とする。
弦×乙×2=丁とする。
中円の直径×鉤^2+丁=戊とする。
戊÷2=己とする。
己^2=庚とする。
弦^2-鉤^2=辛とする。
(己-SQRT(庚-(辛×丙)))/辛=大円の半径 ・・・Ans.2
甲^2=子とする。
鉤-甲=丑とする。
丑^2=寅とする。
SQRT(子+寅)=卯とする。
卯-甲=辰とする。
(辰×甲)/丑=巳とする。
(辰×卯)/丑=午とする。
(辰×巳×2)/(巳+午)=小円の直径 ・・・Ans.3
以上

解説 Ans.1について
直角三角形(鉤股弦)と内接円について、鉤+股=弦+円の直径、が成り立つことから求められる。
Ans.2について
解の公式を使用しているが、途中の算式に誤りがあると思われる。答えは合っている。
中円の直径×鉤+丁=戊
戊÷鉤=己
(弦^2÷鉤^2+1)=辛
(己-SQRT(庚-(2×辛×丙)))/辛=大円の半径
とすれば、正しく計算できるのだが・・・。
Ans.3について
算額の文面は「千葉県の算額」を参考としたが、午の求め方に誤記があった(×巳○午)。答えは126寸で合っている。

名前:
コメント:
最終更新:2015年05月28日 20:56