マップの要素とその分析

特殊なミネラル・特殊なガス


通常資源地はミネラル8山・ガス2山で構成されているが、
取りやすい位置にある資源地はミネラル6~7山、ガス1山しか用意されていないことがある。
マップによってはリッチミネラル・リッチガスが存在し、それぞれ採取速度が早くなる。
リッチミネラルは通常一往復で5採取のところを7、リッチガスは通常一往復で4採取のところを6採取できる。
たいてい守りづらい位置にあり、広い範囲を守るためのコストを考えると普通の拡張地に取ったほうがマシということが少なくないが、
高収入を活かしたリッチならではの戦術も存在する。
しかし2011年のGSL Novemberを皮切りとして、プロプレイヤー向けの大会ではリッチミネラルを通常のミネラルに置き換えたマップが増え始めており、
ラダーでは未だにリッチのあるマップが使われているもののプロプレイヤーの間ではリッチのないマップのほうが主流のためプロシーンを追いかけるうえではもはやそれほど重視しなくてもよい要素ではある。

地形と種族


開けた地形では近接・短射程ユニットが中心で機動力のあるZergが強く、
狭く閉じた地形では範囲攻撃・ForceFieldを持つProtossが強い。
Terranは編成にもよるがProtoss相手には開けた地形で強く、Zerg相手には狭く閉じた地形で強い。
Protoss相手にはMMMを使うのに対してZergに対してはTankを使うというテラン側の主流編成の違いもあるが、ProtossとZergの特性による違いが大きい。
ただしプロトス相手には開けた地形のほうが強いテランも2ndを守るうえでは入り口が狭いほうが楽である。
狭く閉じた地形においてProtossが強いのはユニットの特性のみならず、狭く閉じた地形では突っ込んだ側が不利になるという事実が大きい。
Techを上げながら200/200を目指したときのリターンが最も大きいと考えられるのはProtossであるため、マップが攻めづらければそれだけ有利になる種族といえる。


狭く閉じた地形

  • 範囲攻撃が強い(スペースが少ないとユニットが固まりやすい)
  • ForceFieldが強い(スペースが少ないとより少ないFFで効果的に相手の動きを制限できる)
  • 動けない防衛施設を利用した定点防御が強い(回り込めない)
  • 近接ユニット・短射程ユニットが弱い(道が狭いと一気に近づくことが難しい、壁を利用されて殴れる面積を減らされる)
  • 長射程ユニットが強い(移動が制限されると接近しにくい)
  • 受けが強い(守らないといけない箇所が限られる)
  • 守りやすいので内政重視が強い

開けた地形

  • 近接ユニット・短射程ユニットが強い(囲むように当たりやすく、ユニットが詰まらないので一気に近づきやすい)
  • 長射程ユニットが弱い(接近されやすい)
  • 動けない防衛施設を利用した定点防御が弱い(回り込んで回避される)
  • 攻めが強い(攻められる場所が多く揺さぶることができる)
  • 守りにくいので軍重視が強い

ベースの評価項目

(1)周縁部に地続きの崖があるかどうか
(2)周縁部から内政までの距離
(3)周縁部からマップ端までの距離とその位置
(4)Airユニットやドロップが来れる範囲
(5)資源地の広さ
(6)ベース外への出口
(7)他のベースとの距離
(8)敵ベースとの距離


1st base(開始時Spawn位置)の評価項目


(1)周縁部に地続きの崖があるかどうか
この崖部分が十分にあると、崖を越える能力を持ったユニットでのハラスやプッシュが強くなる。
プロトスはVoidRayの視界を使った丘上ワープインやBlinkerでのハラス・All-in、テランはリーパーやエレベーターを使ったプッシュやAll-inが可能になる。
また、こういった崖の部分については、ドロップ対策に1st周縁部にタレットやCannonを建ててドロップが来れないようにしていても崖下から再び破壊される恐れがあるため要注意ポイントとなる。

(2)周縁部から内政までの距離
ユニット生産施設までの距離が短いと、崖を越える能力を持ったユニットがさらに強くなる。Airユニットでのハラス、VoidStalker、MarineTankのエレベーターなど。
崖下からユニット生産施設に攻撃が加えられるレベルであれば詰んでしまいかねない。
マップコントロールが取れる時間まで周縁部に近い場所に建物を建てずに済むかどうかがひとつのポイントとなる。
15分といった中盤にもなるとマップの真ん中が主戦場になるので周縁部の近くに建てていようがそれほど関係はないし、多くのマップで周縁部近くにも建物を建てないとスペースが足りなくなる。

周縁部からミネラルラインまでの距離が短いと、ColossusやMarineTankでの攻撃を受けて内政がストップしてしまう危険がある。
逆にReaperに対しては崖を登っている最中の無防備なReaperを一方的に攻撃する狙いとミネラルラインを守る狙いが両立できる一石二鳥の配置なため、それほど問題にはならない。

(3)ベース周縁部からマップ端までの距離とその位置(1stベースの裏・ミネラルラインの裏などに空中だけの空間があるかどうか)
1st周縁部からマップ端までの距離と、その位置。(1stベースの裏・ミネラルラインの裏などに空中だけの空間があるかどうか)
この距離が短いと、タレットやCannonやSporeを建てることでマップ端にAirユニットの通り抜け不可能な空間を作ることができ、相手のドロップできる場所を大きく制限できるため、
機動力がないが正面からのぶつかり合いを得意としたユニット構成が強くなる。
こういったポイントがベースの外側にあればあるほど、ドロップやAirユニットのこれる角度が狭くなるので、Airユニットやドロップからのハラスを守りやすくなる。

また逆にこの距離が長いと、空中だけの空間ができてしまい空対空ユニットがいない限りAirユニットがカットできないため逃げてはまた舞い戻っての断続的なハラスを受けることになってしまう。

(4)Airユニットやドロップが来れる範囲
この範囲が広いほどドロップやMutalisk、BansheeなどのAirユニットによる攻撃を守りにくくなる。
(3)で書いたようにユニットや対空防衛施設で制限できるほか、前線方向に関しては前線を維持したりXelnagaTowerを押さえることで実質上の通行不可能エリアを増やすこともできる。


(5)資源地の広さ
1st 資源地が狭いほうがドロップやAirユニット、Nydusによるハラスを守りやすい。視界も取りやすいし、少ない対空施設で大部分をカバーできる。
しかし1st 資源地が狭いと建物を建てる場所に困り始める。一箇所にまとめることが難しくなって2ndや3rdにかけて建てていくことになる。

(6)ベース外への出口
通常1stから出た先には2nd資源地がある。
1st-2ndの間にRamp(坂)があれば、相手が1baseプッシュを仕掛けてきたときに視界差のアドバンテージを活かして守りやすい。
このアドバンテージは大きく、Rampがなければ可能なプッシュが増えてしまう。
Rampがない例:Taldarim Altar, Bel'Shir Beach

通常2ndへの出口が1つあるのみだが、中には岩を壊すことで通行可能になる裏口があるマップもあり(Crossfire SE, Blistering Sandsなど)
そういったマップでは通常正面突破に使うような編成で1stに侵入することが可能なため選択できる内政重視オーダーの幅が非常に狭まる。

1st出口の位置や方向も重要となる。
2nd前の防衛ラインよりも前にある1st出口はFFで増援をカットされやすいので注意する必要がある。

(7)他のベースとの近さ
近いほどよい。守りやすさ・拡張時のワーカー移送時間に影響する。
2ndとは距離の近いマップが大半だが、それでも距離の程度にはブレがある。
ShakurasPlateauやCloudKingdomのように1stと3rdとの距離が近く、また3rdが1st周縁部をカバーするような形になっていると、3rd周辺のディフェンスがそのまま1stへのディフェンスにもなり、
またBilnkerやドロップを利用して1stへの移動がしやすいため相手のドロップへの耐性が非常に高い。

(8)敵ベースとの近さ
相手の1stからの空路が近い場合、ドロップやAirユニットが非常に強力になる。
陸路が近い場合はプッシュオーダーとそれを守れるオーダーなどの順位付けが多少前後してしまうが、最近は陸路は遠いマップが多い。

2nd base の評価項目

(1)周縁部に地続きの崖があるかどうか
1stほどではないが、この崖が十分にあると崖を越える能力を持ったユニットでのハラスやプッシュが強くなる。
Taldarimで2nd裏に突破したあとの丘上Warp-inなど

(2)周縁部から内政までの距離
Tal'darim Altarのような一部マップにおいてはTankやColossusを利用して2ndベースに直接攻撃が可能であり、崖に近いガスに至っては空中の視界さえあればStalkerやMarauderだけで崖下からの破壊が可能である。

(3)ベース周縁部からマップ端までの距離とその位置
1st baseと2nd baseは近いことが多いので、1st baseの場合と同じくマップ端までの距離が1stの守りやすさにもつながる。


(5)資源地の広さ
2nd 資源地が広いと、1stに建てきれない建物を2nd周辺に建てることができる。
1stに逃げ戻る可能性があるころに建てるのは危険だが、10分頃にもなれば1stと同じ感覚で建てられる。
マップによっては1stよりもドロップを食らいにくく安全なこともあるので、重要な建物を2nd資源地に建てるほうがいい場合がある。
2ndミネラルラインから2nd出口までの距離がある場合は、出口とミネラルラインを同時にカバーできない、出口に修理SCVを動員するのに時間がかかる、ユニットの追加が少し遅れるなどの理由から少し守りにくくなる。

(6)ベース外への出口

2ndから外へ出るルートの本数とChoke point(隘路)/Ramp(坂)の有無。
2ndの前にRampがあれば、相手が1~2baseプッシュを仕掛けてきたとき視界差のアドバンテージを生かして守りやすい。
このアドバンテージは大きく、Rampがなければ可能なプッシュが増えてしまう。
坂上の視界を取るためのAirユニットやobserverが出ないプッシュが弱くなる。Rampは大抵Chokeでもある。
2nd前にRampがないうえに2nd周辺が広いとシムシティが難しいうえに色んな方向から敵がこれるのでSpeedlingやHellionのような足の早いユニットが強くなる。

Rampがない例:Cloud Kingdom, Dual Sight, Metropolis, Metalopolis, The Shattered Temple, Taldarim Altar(一方面にのみあり)

Chokeがあれば相手が狭いところを通らないといけないので自然と守備側が良いConcave(攻撃効率の良い、相手を囲む弧の形)を獲得できて守りやすい。
少ない数のForceFieldで相手のユニットを遮断できること、Tankのような範囲攻撃が強くなることからも守りやすい。

外へ出るルートが一本であれば守りやすい一方で、そこを抑えられると3rdを取りにいったり地上経由で偵察したり出来なくなる。
この頭を抑える形はTvZでのヘリオンOpeningやTvPでの2base マリーンタンクプレイ、PvTでの即3rdからのGatewayプレッシャーなどで利用される。
ドロップやBlinkやワープインがあれば別だが、それが出来る前のタイミングを狙ったり相性のいいユニットを利用することで克服される。

(7)他のベースとの距離
1stとの近さ。相手のハラスへの対応や、相手が丘上ワープインやobs Blinkerを利用して前後で揺さぶってきた場合の守りやすさに影響する。

(8)敵ベースとの距離
通常陸路に関しては2ndのほうが1stよりも近くなる。ゲームの研究が進むにつれて互いに2ndに行く前提のゲームも増えており、2nd同士の距離を基準に考えたほうが良いことも多い。

3rd baseの評価

(1)地続きの崖があるかどうか
資源地が低地にある場合はワーカーが丘上から攻撃を受ける場合があり、注意しないと悲劇が生まれる。

(6)ベース外への出口
3rd以降の資源地は開けた地形も多くなるが、それでもShakuras PlateauにおけるXelnagaTower横の3rdのようにChoke Pointがあるマップもあり、マップによって守りやすさは大きく変わる。

(7)他のベースとの距離
1st, 2ndとの近さ。
近いほうが守りやすいが、Shakuras PlateauやTaldarimの1st-3rdのように直線距離が近い割に地上経路は迂回しなければならない形だとMutaliskなどのAirユニットでのハラスが強くなる。
ただしBlinkで移動しやすくもあり、少ないタレットやキャノンで広範囲をカバーできるためAirユニット相手にもたいてい利点の方が多い。

(8)敵ベースとの距離
マップによっては3rdがかなり突出した位置にあり相手との距離がグンと縮まるものもある。
基本的にはそれだけ相手がラッシュしやすくなって守りづらいのだが、Zerg以外の種族対Zergの場合は相手に近い3rdが有効に機能することがある。
というのは守らないといけないポイントと相手を攻めたいポイントの距離が短くなることで機動力での不利が表れにくくなるからである。

自陣と敵陣を結ぶルートの評価


Xel'Naga Towerの有無

ルート上にXel'Naga Towerの視界があればラッシュの察知がしやすくなる。
単純にユニットを置く場合と違って一体のユニットで広範囲の視界をカバーでき、マップコントロールを取るために主力を前に出したとしても
一体のユニットを残して本隊はXelNagaTowerよりさらに後方に待機させることができるため、
相手がより大きな軍隊で前に出てきたときに撤退することが容易である。
Xel'Naga Tower’の視界がルートをすべて覆っているかどうか(視界を避けて隠れ進む余地があるか)によってXelnaga Towerの信憑性が変わる。

ブッシュ・スモークの有無

ルート上に視界を遮る草や煙があれば、射程と移動速度で勝っているユニットに一方的に引き撃ちされずに済む。
Stalkerの引き撃ちに対してMarineやZerglingが対抗できるようになり、ブッシュまで前線を押し上げることでマップコントロールを取ることができる。

Choke point(隘路)の有無

Choke pointは、そこを通るユニットは待ち構えているユニットに囲まれる(効率良く攻撃されてしまう)ため、守りに適している。
地形や編成によってはChoke pointまで前に出て守ったほうが守りやすいというある種の逆転現象が起きる。
(2nd周辺が広いMetalopolisや、自陣の近くで構えられてしまうと面倒なSiegeTank相手など)

丘の有無

ルート上に丘がある場合、自分に有利な押し引きの拠点として活用できるほか、視界差を利用して射程負けしているユニットにも対抗しやすくなる。

Airだけの空間の有無

ドロップルート上にAirだけの空間がある場合、地対空ユニットから逃れることができるためAirユニットやドロップが強くなる。
しかし、強くなるのはobserverやOverlordも同じである。
地上ユニットに撃墜されることがないため取り除くことが難しく、ドロップの把握に役立つ。
VikingやPhoenixを待機させておけば、ローリスクでドロップを一方的に排除することができる。
最終更新:2012年06月11日 08:04
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