ペトリ関連争訟一覧

ペトリカメラ株式会社、ペトリ工業株式会社又はその従業員が当事者となっている裁判・審判例をリスト化した。掲載は判決又は審決年月日順とした。
なお、「判示事項」及び「裁判等要旨」の記載については、出典を忠実に引用又は抜粋している個所は『』書きとし、それがない部分については記入者による要約等である。

事件又は審判番号 事件名 判決又は審決年月日 種別 結果 原審等 原審等事件番号 原審裁判等年月日 判示事項要旨 裁判等要旨 出典 コメント(記入者)
東京高裁昭和43年(う)第1417号 傷害被告事件 昭和44年9月10日 判決 破棄自判 東京地裁 不明 不明 『犯行の背景事実に関する証言が措信できないからといって、その後起った具体的事件に関する証言まで信用できないとはいえないとして、原判決の判断を不当として破棄した事例』 ①『・・・本件当時における現場の状況については検察側証人(略)と弁護人側証人(略)の証言は全く対立しており、結局本件の成否は右いずれの証言を信用すべきかにかかっている。そして、原判決は結局において検察官側の証人の証言を信用できないとし、・・・被告人に対し無罪の言い渡しをなしたのであるが、・・・検察官側証人の証言を信用できないとした理由として、原判決は本件が従業員解雇に端を発した抗議闘争中の事件であるが、かかる事件にあつては事件の背景を抜きにしてその成否を断定することはできないが、右背景の点に関する検察官側の証人はその回避的態度に照らしこれを措信できないとしている。なる程、本件のような事件の審理に当つてその背景たる事実を無視することのできないこと、また、検察側証人がこの点につき全面的に真実を述べているとも認められないのは原判決のいうとおりであるけれども、・・・この点のみを捕えて検察側証人の証言を全面的に排斥することはできない。 本件は右抗議闘争中に行われた一行為であるから先ずこれに直接関連した各証拠を精査対比し、いずれかこの点につき真実を述べているかを検討しなければならない。・・・』
②『ところで原判決挙示の外形的証拠、目撃者等の原審公判廷における各証言(略)を綜合すれば次の事実を認めることができる。即ち
(一)被告人は起訴状記載の日時、場所に同記載の宣伝カーを停め、同車備付けのスピーカーでペトリカメラ株式会社を解雇されたXらの解雇が不当である旨や同社を誹謗する趣旨の宣伝放送を行つていたこと。
(二)その際同社製品課班長Yを含むいわゆる会社側職制数名より右放送の中止方の要求を受けたこと。
(三)その要求を受けているうち、自車右前方に右Yが佇立しているのを知りながら右自動車を何等警告なく突然発進させたこと。
(四)発車前同自動車右前方に居たYが発車後自動車ボンネット上に乗つているにもかかわらずそのまま自動車の運転を継続し足立区梅田七丁目三三番七号足立区役所第二庁舎(通称梅島支所)横交差点道路まで約三五〇メートルを運行したこと。
(五)その間同町七丁目二〇番の九、梅島公園入口前路上において一時停止したこと。
(六)また右運行の途中において右Yが起訴状記載のとおり右手に全治一週間の傷害を負ったこと。よって本件の争点は(1)右Yが被告車のボンネットに乗ったのは、・・・衝突させたため同人がボンネット上に倒れたものか或はYが自らの意思で右ボンネット上に乗つたものか、(2)被告人が・・・梅島公園までの走行中において起訴状記載の如きジグザグ運転を為したか否か、(3)被害者の負傷は自傷行為であるか被告人の暴行に因るものであるかに存する。』
③『・・・人が自動車の前方に立っている際何等警告を発することなく車を発進させる場合には特段の事情のない限り自動車を相手方に衝突させる虞が極めて強いことは何人も当然予測できるところであるから、特段の事情の認められない本件においては、(略)被告人もまたこのことを予想認識していたものと解するのが相当であつて、自動車発進に当つて被告人に暴行の意思ありとするのにいささかの差支えもない。原判決はこの点において事実を誤認したものである。・・・右傷害は梅島公園前において本件自動車が急に止まろうとした際生じたものと解するのが相当であるから、右傷害と被告人の本件暴行との間に因果関係のあることは明らかであり、原判決はこの点においても事実の誤認があり、・・・原判決は破棄を免れない。』
判例タイムズ№242 労働組合の闘争の状況の一端が生々しく描写されている裁判例であり、当時の空気が伝わってくる。なお、原典では個人名も記載されているが、仮名処理を行った。(いつかはペトリ)
東京地裁昭和47年(ワ)第4133号 差し止め、損害賠償請求事件 昭和50年3月10日 判決 請求棄却 原告株式会社ヤシカを実用新案権者とする『電気シャッターに於いて手持ち限界を表示する装置』(甲考案)及び『電気シャッターに於る調時値予知装置』(乙考案)と同様の機能を有する被告ペトリカメラ株式会社が製造販売するカメラの表示装置について、原理ないし作動態様が同一又は同様の機能を有するものであっても、考案の構成要件の一部に充足しないものがある限り、同一技術範囲にあるとはいえないとされた事例。 ①『原告は、被告製品のシャッタースピードが手持撮影限界速度より遅い場合にランプLが点灯して危険性を知らせる機構は、その原理ないし作動態様とも本件甲考案と技術的に同一であつて、その技術的範囲に属する旨主張する。しかしながら、原理ないし作動態様自体に実用新案権が付与されているものでないことはいうまでもないから、被告製品の原理及び作動態様が本件甲考案と同一であるとしても、そのことをもつて、被告製品の表示装置が本件甲考案の技術的範囲に属するとは言えない。原告の右主張は理由がない。』
②原告甲考案について『被告は、右C図の場合a点に流入した電流は、抵抗R分岐に流れるとともにコンデンサーC分岐にも充電々流が流れ、ここにコンデンサーC、抵抗器R並列の遅延回路を構成し誤点灯をするという重大な欠点を生ずるが、被告製品にはそのような欠点がない旨主張する。・・・原告は・・・右過度電流が瞬間的に流れることは・・・現実問題として無視しうる旨主張する。・・・が、事は短時間にされるカメラ操作における手持撮影限界表示に関するものであるから、誤点灯が生ずるということは、所期の表示機能を発揮させるためには解決されなければならない事項であつて、過渡的現象であるからといって無視しうることではないというべきである。』
③原告製品は『表示を行う為に電気シャッター装置自体に特に機構変換等を必要とせず、従来の電気シャッター装置をそのまま利用できるの』に対し、『被告製品では、・・・電気シャッター装置の基板内に抵抗器Rを組み込まなければならないという差異がある。』
④『本件乙考案の明細書には、・・・特定の数値よりも速いか遅いかをランプの点灯の有無によつて予知する構成については何ら記載されて』おらず、ランプの点滅により調時値を推察できるものであるのに対し、『被告製品は、・・・被写界明度が調時値以上の明るさである場合でも、青ランプが点じてこれを知らせる機構を持つ。そうすると、被告製品の青ランプ点滅機構は、本件乙考案の構成要件・・・に該当するとは言えない。』
TKCローライブラリー 問題となったカメラの名前には言及されていないが、「誤点灯」の指摘や「青ランプ」から、本件は、ヤシカエレクトロシリーズとペトリコンピュータ35に関する争いと推測される。なお、甲乙考案の出願日は昭和38年6月6日(実用新案登録出願昭38・442544)であり、公告日は、前者は昭和45年6月18日(実用新案出願公告昭45・14545)、後者は昭和44年11月10日(実用新案出願公告昭44・26861)となっている。
本判決はほかにも回路構成など詳細について検討しており、本表では比較的わかりやすいと思われるものをピックアップした。(いつかはペトリ)
東京高裁昭和53年(ラ)第25号 破産宣告抗告事件 昭和53年11月20日 決定 抗告棄却 東京地裁 東京地裁昭和52年(フ)第220号 昭和53年1月13日(破産宣告) 『会社に対する整理開始の申立事件の審理中になされた破産の申立事件につき破産宣告をすることが許されるか(積極)』 ①『もつとも、記録によれば、債務者会社は昭和52年10月上旬に二回にわたり預金不足のため不渡り手形を出した(そのため、同月14日東京手形交換所から取引停止処分を受けた。)ので、債務者会社代表者は同月11日東京地方裁判所に対し商法第381条所定の会社整理開始の申立てをし、同庁において審理中に、同年11月14日に至り債権者東巧精器株式会社ほか58名から同庁に対し本件破産申立てがなされたことがうかがわれるが、記録を精査しても、右債権者らの本件破産申立てが破産制度を濫用し債務者会社の労働基準権を侵害する意図をもつてなされたものと認むべき証跡は、これを見いだすことができない。』
②『・・・会社整理開始の申立と破産法に基づく破産申立てとが競合する場合について、商法第383条は、整理裁判所は整理開始決定前においても破産手続の中止を命じることができ、更に、整理開始決定があつたときは破産手続は当然中止され、右決定が確定したときは破産手続は失効するものとして、右両手続相互間の調整を図つているが、会社整理手続が破産手続に優先する効力をもつのは以上の限度であつて、これを超えて会社整理手続が無条件に破産手続に優先するものではない。したがって、破産申立事件と並行して会社整理申立事件が係属中であつたとしても、整理裁判所から破産手続中止命令が発せられない限り、破産裁判所が破産宣言の裁判をすることは妨げられないものと解すべきである。・・・本件においては本件破産宣告当時整理裁判所から同条第1項の破産手続中止命令が発せられていた事実を記録上うかがい知ることのできない本件においては、現決定に抗告人ら主張のような瑕疵があるものとは認められない。』
判例タイムズ№381 抗告人には日本労働組合総評議会全国金属労働組合東京地方本部、同東京地方本部ペトリ支部等の名が並ぶ。学問的には②が重要であるが、ペトリファンとしては、①の方に興味を惹かれるかもしれない。
なお、会社整理の制度は、平成18年5月1日に会社法が施行されたことに伴い廃止され、現在はない。(いつかはペトリ)
昭和60年審判第22888号 昭和57年商標登録出願第40650号拒絶査定に対する審判事件 平成7年7月3日 審決 原査定取消し 特許庁 不明 不明 審判手続中に請求人が出願していた商標の指定商品中、商標権者の商標に係る指定商品が放棄されたため、原査定時の出所について混同を生ずるおそれはなくなったものとして拒絶査定を取り消した事例 『本願商標は、「Petri」の文字を書してなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、昭和57年5月14日に登録出願されたものであるが、指定商品については、その後答申における平成7年5月29日付け指定商品の一部放棄書により、指定商品中の「電気通信機械器具」が放棄されたものである。
これに対し、原査定において、登録異議の申立てがあつた結果、「本願商標は、ペトリ工業株式会社がカメラについて使用し広く知られた商標「PETRI」、「ペトリ」と紛らわしいものであるから、これを同人が使用する上記商品と関連のある商品(例えばビデオカメラ等)に使用するときには・・・出所について混同が生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
・・・原審における登録異議申立人のペトリ工業株式会社提出の各書証に徴すると、「写真機械器具」の取引者、需要者間において周知、著名なものとして認識されているものと認められるから、原査定における前記認定は妥当なものであった。
しかしながら、本願出願の指定商品は、上記のとおり、ペトリ工業株式会社の主たる営業品目である「写真機械器具」と関わりのある「ビデオカメラ」を含む「映像周波機械器具」はもとより、それを包含する「電気通信機械器具」が放棄されたこと上記のとおりであるから、もはや、原査定の拒絶の理由は解消した。』
TKCローライブラリー ちなみに、本件の請求人はペトリ・アクチエンゲゼルシヤフト(Petri AG)すなわちドイツの自動車部品メーカーであり、Takata-Petri AGを経て現在はTakata AGとなっている。
拒絶査定から原査定取消の審決まで、10数年もの歳月が流れている。(いつかはペトリ)

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最終更新:2019年04月12日 06:46