流血少女エピソード-鬼姫災禍-


降り頻る激雨の中、鬼の慟哭は雨音に欠き消される。

最愛の親友の死を嘆き、自身の愚かさを呪った。

自分が壊した掛け換えの無い日々と、戻る事の無い命に独り絶望した。

鬼とは災禍(わざわい)災厄(さいやく)そのもの。

彼女、鬼姫災禍が愛した者はすべからく消え去る。

彼女が意識してようがしてまいが。

それは鬼故に。

それが鬼故に。

鬼の慟哭は空を裂き、地を震わせ、万物の命を奪いさる。

転じて『鬼哭拳』、これが彼女、鬼姫災禍の魔人能力だった。

[鬼の慟哭]-完-


最終更新:2013年07月26日 23:24