奈木沢 深言


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本作の主人公。第十九代火眼宮。魔戯の王が第四位〈怠惰〉の王。

中性的で繊細な顔立ちの少年。一見すると線の細い印象を受けるが、無駄のない肉付きの持ち主ゆえ膂力や脚力は比較的優れている部類に入る。
火眼宮として活動する際には日本刀を帯び、セーラー服を纏い、輪宝紋の描かれた腕章を左腕に填め、狐の面を装着する。仮面の内側では瞳は鬼灯のような赤色に変化し、女性的な表情を浮かべている。
その女装姿は人目には〝ショートヘアの活発そうな印象の少女〟というように写り、知人でもない限りは男性だと気付かれることはほぼ有り得ない。

穏和かつ温厚な性格の持ち主だが、同時に飄然とした雰囲気を纏う掴み所のない道化者。天然ボケを装った毒舌家であり、自覚無しと見せかけてさらりと舌鋒を突き出す。与えられた課題は真面目に手を抜かずにきっちりとこなすが、かなり面倒臭がり屋ゆえ余分な雑事まで背負い込むのは絶対に嫌な性分。また一度物事を信じたら深くは追求しない、考えないという事なかれ主義である面も併せ持つ。
愛情や友情を尊ぶことや他者の幸福や不幸に共感できるなどの素直な感性を備えるが、それゆえ自分が他人を傷つけてしまうことを恐れる。だからこそ誰も傷つけないために究極化された平等主義――〝誰の特別にも成らない〟という信念を心中に秘める。その平等主義ゆえ特定の誰かに肩入れすることには消極的であり、事態の取り返しが付かなくなる直前になってようやく重い腰を上げる。そうして〝積極的になる〟――〝誰かの特別に成る〟と信念を曲げる覚悟を決めた時は、可能な限りのあらゆる手段を講じようとするため、必要とあらば非情な手段を採ることも辞さない立案能力や決断力を発揮する。
しかしこの究極化された平等主義の真実は、深言自身が〝他人に傷つけられること〟を恐れている臆病者なのであるということ。だからこそ彼は他人と深く関わろうとせず、傷つくことも傷つけられることもない一線を保とうとする。一方で誰かを助けると決めた時に形振りを構わなくなるのは、日頃は封殺している〝誰かのために積極的になりたい〟という本心が解放される反動なのである。

何事も人並みにそつなくこなせる天才肌。しかし器用貧乏でもあり、なまじ最初から巧くできてしまうからこそ、何事に対しても大成するほどに熱心に取り組むことができない。
ちなみに幼い頃から〝火眼宮〟――〝火眼神の継承者〟となるべくして育てられてきたため、素の状態からして非常に高い戦闘力の持ち主。ただし武道ではなく武術、スポーツではなく殺人術であるため、日頃はその技能を隠匿するべく体育会系の部活動には所属していない。

迦島神刀流と呼ばれる古流剣術の使い手であり、その腕前は〝斬神の剣舞〟と讃えられるほどに繊麗かつ鋭敏な剣技を誇る。