禁止改定&これまでのジャンドを振り返る

記事執筆(2013/02/08)

《血編み髪のエルフ》と《煮えたぎる歌》が禁止カードに指定された。

前者は『ジャンド』のアイデンティティともいえるカードである。
《ヴァルショクの狂戦士》(4マナ3/2速攻)が多色化して続唱付きになった
クリーチャーインフレの現代マジックを代表するパワーカードだ。
他の続唱持ちはコストパフォーマンスが悪くあまり実用的なものがいなかったが、
中でも群を抜いて優秀なカードであった。

だが、ジャンド隆盛の原因はRTRの《死儀礼のシャーマン》加入によって
ただでさえメタゲームの上位にいた『ジャンド』を中心へと引き上げたことである。
それ以前のジャンドは一大勢力であったものの大規模なグランプリで優勝することはなかった。

モダン制定当時は一目置かれながらも、高速コンボ環境であり
アドバンテージ重視のミッドレンジが活躍できる舞台は用意されていなかった。
プロツアーフィラデルフィア11後の禁止改定後に環境はビートダウン優勢に傾き、
ボードコントロールデッキとして次第に頭角を現していった。
一方で、ジャンドが苦手とする特殊地形を使うコンボデッキの『ウルザトロン』の登場や
《修復の天使》加入による『No-Caw』『出産の殻(キキジキ)』強化の影に隠れた存在であった。
『ヴァラクート』が解禁に伴い勢力の減少が予想されていた頃もあった。

RTR加入後、ジャンドは快進撃を続け三度のグランプリ優勝を記録した。
メタゲームもジャンド中心で進み、GPシカゴでは《未練ある魂》を搭載、
そのスピリットトークンに対抗するため今度はGPトロントで《雷口のヘルカイト》
を投入するなどミラーマッチ対策は激化した。
国内でも関東TheFinals2012では白ジャンドが優勝を収めた。

さらにジャンドが米国のレガシー大会「SCGO」で準優勝したことは、
このデッキへ圧力がかかる決定的な出来事であったと想像できる。

今回の禁止改定施行後、《血編み髪のエルフ》を失ったことで赤を入れる必要がなくなり
白や青を入れたBGx系のデッキへと派生していくと予想する声もある。
今後のモダン環境の動向に注目したい。

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最終更新:2013年02月08日 15:44