初めに

『テイルズオブゼスティリア』が発売されてから、ファンの間やネット上(掲示板のサイトや公式のコミュニティなど)で、炎上が起こっています。
ここでは、何故『テイルズオブゼスティリア(略称・TOZ)』発売から、このような問題になってしまったかを書き出します。

1.「完全版商法」による、元からの反感

「完全版商法」とは、ゲームの販売形式に対する疑問から生まれた、ネット上を中心に言われている俗説のひとつです。

既存のタイトルに、色々な追加要素やゲームバランス調整などの改善を加え、
それを「完全版」という新規パッケージとして、再度販売しているケースをそう呼ぶことがあります。
新規に買う人にとっては、より内容が充実した完全版だけを買えばよいため、一見お得なパッケージとも捉えることが出来ますが、
オリジナル版を既に購入していた人にとっては、追加された要素、改善されたゲームプレイを得るには、
実質、同じゲームを余計にもう一本買わなければならないため、場合によっては、メーカーへ不信感を抱く一因にもなります。

『テイルズオブ』シリーズにおいては、過去作で
  • テイルズ オブ シンフォニア(GC)→テイルズ オブ シンフォニア(PS2)
  • テイルズ オブ デスティニー(PS2)→テイルズ オブ デスティニー ディレクターズカット(PS2)
  • テイルズ オブ ヴェスペリア(XBOX360)→テイルズ オブ ヴェスペリア(PS3)
  • テイルズ オブ グレイセス(wii)→テイルズ オブ グレイセスf(PS3)
といった、のちに修正されて発売された作品があります。
『ヴェスペリア』は、タイトルはオリジナル版と同じですが、新キャラのパーティメンバー参入や既存キャラのパーティメンバー化などの追加要素が非常に多く、リメイクと言っても過言ではない出来です。
  • テイルズ オブ エクシリア(PS3)→テイルズ オブ エクシリア2(PS3)
は、内容は別作品ですが、『エクシリア』はストーリーやマップが半端な所で終わりキャラクターやマップ等を次作で使い回すため、此方は「分割商法」と揶揄されています。
しかし、続編の『エクシリア2』に関しては、一応ストーリーは全く半端なところで終わっていなくきちんと完結しています。

以上の作品は、(元々、出来が良かった作品はあるが)当然ながら、後から「完全版」として発売された方が、評価が非常に高いです。

現在のゲーム機は、インターネットに繋ぐことにより、「ダウンロードコンテンツ(略称・DLC)」と呼ばれる追加のシナリオやアイテム、
ソフトの更新データ(いわゆる修正パッチとよばれるもの)がダウンロード出来るので、追加要素・不具合の修正等は、
開発側からユーザーへダウンロード配信する形で補うことができますが、『ヴェスペリア』に至っては、XBOX360版への追加シナリオなどのコンテンツは、
今現在でも配信はされていません。
(当然ながら、ハードの違いによるソフトの追加要素に対応して、パッチを出すゲームも存在します。)

以上の事から、ユーザーの間で『テイルズオブ』の完全版商法が問題視され、
「『テイルズオブ』は「完全版」を待って買ったほうが良い」という声があがるようになり、
オリジナル版を買うのは、『テイルズオブ』シリーズを心から愛するファンの割合が多くなっていきました。

また、前作である『テイルズオブエクシリア2』はユーザーの評価が良かった事や、本作が『テイルズオブ』シリーズ20周年記念作品として製作された事から、
ファンにとって今回の『ゼスティリア』は非常に期待されていました。

2.プロデューサー・馬場英雄

映像業界を経て、ナムコ(後のバンダイナムコゲームス)へ入社。
2007年のニンテンドーDS用ソフト『テイルズ オブ イノセンス』で初めてプロデューサーを務め、
以降『テイルズ オブ』シリーズのブランドマネージャー兼プロデューサーを務めています。

ここで問題なのが、今まで彼が担当した、
テイルズ作品のマザーシップタイトル(シリーズの中心となる作品。ナンバリングタイトル相当)一覧です。

  • テイルズ オブ デスティニー(PS2)(ディレクターとして参加。『ディレクターズカット』ではプロデューサー)
  • テイルズ オブ イノセンス
  • テイルズ オブ ハーツ
  • テイルズ オブ グレイセス
  • テイルズ オブ エクシリア
  • テイルズ オブ エクシリア2

いずれも、上記で問題視されている「完全版商法(及び分割商法)」をほぼ担当しています。
(ブランドマネージャーなので、『ヴェスペリア』も関わっている可能性は高い。)
また、テイルズではありませんが、『トラスティベル 〜ショパンの夢〜』という作品の完全版も馬場英雄氏が担当しています。

そして、今作『ゼスティリア』も馬場英雄氏が担当しているため、『テイルズ』ファンにとっての不安材料になりました。


3.発売前とシナリオ中における「アリーシャ」の扱いの落差

発売前、様々な媒体でスレイと並んで描かれていました。
また、主人公であるスレイよりも先にフィギュア化が発表され、PV第3弾(こちら)では『導師スレイを支える騎士・アリーシャ』と紹介され、
キャスト欄ではスレイの次に位置していました。そして、予約特典のラバスト(ラバーストラップ)や歴代キャラの秘奥義DLCにも選ばれています。
さらには公式サイトのキャラクター紹介欄ではスレイの次の位置にいます。

このように各所で本作の「ヒロイン」と思わせるような待遇を受けていましたが、
実際のゲーム内では、パーティから抜けたり入ったりを繰り返し、一時的に参戦するキャラクターでした。

具体的には、本編の序盤でパーティから離脱。
ストーリーの終盤の選択肢によっては一時的に参戦しますが、すぐに離脱し、その後は、永久にパーティに復帰しなくなります。

過去の『テイルズ』シリーズでも、一時的に参戦するがストーリーの進行によってパーティから離脱してしまうキャラクター
(『デスティニー』のリオン、『シンフォニア』のクラトス、『グレイセス』のリチャードなど)はそれなりに存在していましたが、
今回の「アリーシャ」の場合は、当初からパーティメンバーの一人として宣伝されており、
ソフトが発売されるまで(されてからも)、いわゆるスポット参戦のキャラであるという情報は発表されてはいませんでした。

そもそも、上に挙げた過去作品の一時参戦キャラクターは、どのキャラクターも離脱後も物語にしっかり絡み、
物語においても重要なポジションであったため、主人公たちに大きな影響を与えていました。
しかし、今作のアリーシャの場合、PVにて『導師スレイを支える王女 アリーシャ』と紹介されていましたが、
そのような描写は殆ど無く、「かつての仲間扱い」「一般人と一緒に世界の動乱に振り回されてるだけ」等、
ただ、主人公たちと面識のある一国の姫程度の存在でしかなかった事も炎上を加速させた一因です。

また、アリーシャが抜けた後のパーティメンバーの発言で、
まるで、パーティメンバーがアリーシャを切り捨てているかのようなニュアンスに感じてしまうシーンがあったり、
序盤にアリーシャが抜けたあとに参戦する「ロゼ」の言動や行動などの描写により、多くのプレイヤーに不快感を与えてしまう形となってしまいました。

そして、DLCの追加シナリオでもその様子は継続します。
(上記に関しては、詳しくは→登場人物ロゼ関係問題発言集真の仲間などのページを参照してください。)

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最終更新:2018年12月01日 16:56